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「温泉場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

温泉場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤外線男」より 著者:海野十三
* * * 事件が一|段落ついた後の或る日、筆者は南伊豆の温泉場で、はからずも帆村探偵に巡りあった。彼は丁度事件で疲れた頭脳を鳥渡やすめに....
蠅男」より 著者:海野十三
動三輪車を運転していった。 怪人の自動車は、道を左折して橋を渡ったものらしい。温泉場の間を縫って狂奔していく三輪車に、湯治の客たちは胆をつぶして道の左右にとび....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
まわしている古い灰の上にも、遣瀬ない女の悲しい涙のあとが残っているかも知れない。温泉場に来ているからと云って、みんなのんきな保養客ばかりではない。この古い火鉢の....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
た。「来月半ばまで掛るんだとよう。」「いや、難有う。さあ引返しだ。……いやしくも温泉場において、お客を預る自動車屋ともあるものが、道路の交通、是非善悪を知らんと....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
も焼けていたんでございましてね。 山坂を踏越えて、少々|平な盆地になった、その温泉場へ入りますと、火沙汰はまた格別、……酷いもので、村はずれには、落葉、枯葉、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
それさえ、汗に染み、埃に塗れた、草鞋穿の旅人には、過ぎた扱いをいたしまする。この温泉場は、泊からわずか四五里の違いで、雪が二三尺も深いのでありまして、冬向は一切....
鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
ていた。実は夫人の甥にあたる某大学生が日頃わたしの家へ出入りしている関係上、Uの温泉場では××屋という宿が閑静で、客あつかいも親切であるということを聞かされて、....
健康三題」より 著者:岡本かの子
の言うところに依ると、その娘は富裕な両親に連れられて年中温泉めぐりをして居る所謂温泉場人種の一人だった。両親が年老いてから生れた一人娘なので大事にし過ぎるせいも....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
独とそして自由――それが彼女のすべての生活であった。「気が向けば」彼女は遠い山の温泉場へも行ったし、名所旧跡も訪れた。松島見物に出かけた村の人々が、塩釜の町で、....
五色蟹」より 著者:岡本綺堂
豆地方としておいた。伊豆の国には伊東、修善寺、熱海、伊豆山をはじめとして、名高い温泉場がたくさんあるから、そのうちの何処かであろうとよろしく御想像を願いたい。T....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
一 ことしの梅雨も明けて、温泉場繁昌の時節が来た。この頃では人の顔をみれば、この夏はどちらへお出でになりま....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
二番目がよい、午前十時五十分、約二千八百四十米突の山脊つく。 すぐ目についたは温泉場、その南に隣って琉璃色のように光る田代池、焼岳も霞岳もよく見える、もうここ....
」より 著者:岡本綺堂
湯河原の温泉を御存じでしょう。 旅人 湯河原……。知っています。 重兵衛 その温泉場から遠くない、土肥の杉山という所です。頼朝が隠れたという大杉が先頃まで残っ....
西航日録」より 著者:井上円了
の地、熱海のごとき天然の温泉なきも、海岸遊歩場の地下に壮大なる人工的浴泳場および温泉場を設け、その傍らに奏楽場ありて、ときどき音楽を奏するがごときは、到底熱海に....
呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
邦楽革新の新進作曲家として華やかしい期待を持たれていた慶四郎と、日蔭ものになって温泉場稼ぎをしている今の慶四郎とが比較された。気の毒だと思う一方、多少の小気味よ....