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温順
「温順〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
温順の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青水仙、赤水仙」より 著者:海若藍平
近所に来たのです。どうぞ遊んで下さいましね」 うた子さんはそれから毎日、三人で
温順《おとな》しく遊びました。本を見たり、絵や字をかいたり、お手玉をしたりして日....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
くも美しく生まれて、しかもかくまで薄命なのであろう。虫でも刺すことができる。最も
温順な動物でも追いつめられると戦うものである。ボンネットを飾るために羽毛をねらわ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
一方の人間に、また自分たち家族に対しては暴君の良人が、食物に係っているときだけ、
温順しく無邪気で子供のようでもある。何となくいじらしい気持が湧くのを泣かさぬよう....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
しでござりますよ。」 とかごとがましい口ぶりだったが、柔和な顔に顰みも見えず、
温順に莞爾して、 「御新造様がおありなさりますれば、御坊様にも一かさね、子産石を....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
っているようですな。あなたの様子はどうも理解できない。あなたはいつも沈着で敬虔な
温順な人物であるのに、どうしてそんなに、野獣などのように怒り狂っているのです。気....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
郎の家にも出入りし、団十郎の俳名団洲に模して、みずから談洲楼と号していた。円朝は
温順な人物であったが、燕枝は江戸っ子肌の暴っぽい人物で、高坐における話し口にもよ....
「黄金の腕環」より 著者:押川春浪
」と争う。 三番目の娘は其名を露子と云う、三人の中でも一番美しく、日頃から極く
温順な少女なので、此時も決して争う様な事はせず、黙って腕環を眺めて居る。 父伯....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
には七人の水夫あり、皆土人にて、立って歩まずば、猛獣かと疑わる、しかし性質は案外
温順のようなり。 この船は元来真珠取船にて、アフリカの西岸に沿い、南太平洋を渡....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
よって会得することが出来た。多代子はことし十九で、容貌は見る通りに美しく、性質も
温順で、学業の成績もよいので、まことに世話甲斐があると先生夫婦も楽しんでいるらし....
「山の湯の旅」より 著者:上村松園
屈なしに山上の天狗の湯まで辿りつくことができました。私を乗せてくれた馬は、ひどく
温順な馬でして、馬上初めての私も、何の危なげもなく悠然と乗っていたわけです。馬の....
「妖怪学」より 著者:井上円了
難などあり、内心に殺伐の気あり。慎むべし。 八白に生まるる人は、性剛にして、表は
温順なるものなり。しかれども、短気を起こすゆえ、事を破ることあり。また、思慮深く....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
顔ぶれはよほど下がっていた。しかし彼も決して下手な俳優ではなかった。 又三郎は
温順の人のように聞いているが、紅車はなかなか利かぬ気の男であるらしかった。あると....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
た。目見得も済んで、翌日から私の家に居着くこととなった。 彼女は何方かといえば
温順過ぎる位であった。寧ろ陰気な女であった。しかし柔順で正直で骨を惜まずに能く働....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
物を乞う時、快く之に与うれば可矣、若し情なく拒んで追い払うと、彼等は黙って笑って
温順く立去るが、其家は其夜必ず山※の女房であるとも伝えられた。固より確な証拠があ....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
日は朝から大不機嫌で、お嬢様に当り散し、聞くに堪えない悪口を浴びせかけたので、お
温順しいお嬢様も我慢がお出来にならなかったと見え、遂いに大口論となりました。旦那....