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「港内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

港内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年の悲哀」より 著者:国木田独歩
家は青楼の一で、今女に導かれてはいった座敷は海に臨んだ一間《ひとま》、欄によれば港内はもちろん入り江の奥、野の末、さては西なる海の果てまでも見渡されるのである。....
船医の立場」より 著者:菊池寛
半町も隔てずに、旗艦のポウワタン船が錨《いかり》を下ろしている。二、三日前から、港内を測量した結果、停泊の位置を変えたらしかった。寅二郎と重輔とは、小躍りして欣....
弓町より」より 著者:石川啄木
た土。一夜の暴風雪に家々の軒のまったく塞《ふさが》った様《さま》も見た。広く寒い港内にはどこからともなく流氷が集ってきて、何日も何日も、船も動かず波も立たぬ日が....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
ランドの北岸ベチェンカ港外に現われたことが分ったのだ。ゼムリヤ号は沖合に碇泊し、港内へは入らなかったが、傭船を以て給水を受けた。そして三時間後には愴惶《そうこう....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
荒波や激しい気候と戦って、さびしい漁夫の生活に没頭しなければならなかった。しかも港内に築かれた防波堤が、技師の飛んでもない計算違いから、波を防ぐ代わりに、砂をど....
地中魔」より 著者:海野十三
巨影を現した。 コレヤ丸入港 米国がえりのコレヤ丸は、疲れ切った船体を、港内の四|号錨地へ停めた。 停まるを遅しと一艘のモーターボートが横づけになった....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
町へついていた。古風《こふう》な町である。が、町の向うに青い海が見える。港町だ。港内には、大小の汽船が七八|隻《そう》碇泊《ていはく》している。西日が、汽船の白....
地球要塞」より 著者:海野十三
帥の胸のうちは、ここでいくら私が考えてみても、分らない。 「東京港へはいります。港内司令所より、第四十三番|潜水洞《せんすいどう》へはいれとの命令がありましたか....
沈没男」より 著者:海野十三
たかという歴史について、諄々説明があった。あのときには、しばしば英国全艦隊がこの港内に集結して鋭気を養っていたそうで、すでに試験ずみの安全港であるそうな。 余....
火薬船」より 著者:海野十三
号は、さいわいにして、さしたる損傷もうけなかった。その大爆音は、はるかにサイゴン港内において頻発しているのであった。そのものすごい火の海を、なんといって形容した....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
「いや、全くおどろきましたよ、昨夜の十時ごろでしたかね。私が、ランチにのって、港内を真夜中の巡回をやっていますと、海面にへんなものを発見したんです。船でもない....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
持って来たらしいと感ぜられたことや、そんなことに一切お構い無く各国では軍艦を上海港内へ碇泊させて居り、支那側では又そんな威嚇に一向お構い無く、租借地を返せ! 特....
西航日録」より 著者:井上円了
の汽笛をかき消すのであった。) 正午十二時、天ようやく晴る。知友と袂をわかちて港内より発錨す。汽船は若狭丸と号し、六千二百六十トンの大船なり。晩来風浪少しく起....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
こと数回にしてようやく進航す。 二十八日、晴れ。未明、船すでにハンメルフェスト港内にあり。この港は北緯七十度四十分の地点にありて、欧州最北の港たるはもちろん、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
だ。丘だ、煙突だ、レールだ、そして防波堤だ、浮標だ。 波を蹴立てて、風の薄寒い港内を一まわりすると、ランチが岸へ着いた。横浜を出て四日ぶりで陸地を踏むのである....