港口[語句情報] »
港口
「港口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
港口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
二人が、下田へ着いたのは、翌十八日の午後であった。昨日途中で見た二艘の火輪船は、
港口近くに停泊していた。二人は宿を取ると、すぐ港を警衛している役人たちに会って、....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
のように動揺する。というようなことはなかった。本牧《ほんもく》の燈台をながめて、
港口標光を前にながめながら、わが万寿丸は横浜港外に明朝検疫までを仮泊した。三千ト....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
に気がつき、吃驚《びっくり》して胸を抑えた。 解決のつかないままに、船はオルタ
港口を入ってしまった。 ドレゴは、長いオーバーの胸にアスパラガスの小さい枝を挿....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たが、ただ一日で又もとの通りになった。そのときに、重量一万|斤ともおぼしき大魚が
港口に打ち揚げられて、三日の後に死んだので、土地の者は皆それを割いて食った。 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
砲を打ちかけたことが二度もある。合衆国の水師提督アームストロングは憤って、広東の
港口にある四か所の砲台を破壊した。それも広東奉行の詫びで戦争にはならずに済んだ。....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
。彼奴等の肉を裂き、骨をしゃぶっても飽き足りない思いを抱きながら吾輩は、この釜山
港口、絶影島の一角に隠れて、自分の食う魚を釣っていたんだ。 ナニ……何だって。....
「藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
もう一つは浦戸港の入り口に近いある岩礁を決して破壊してはいけない、これを取ると
港口が埋没すると教えたことである。しかるに明治年間ある知事の時代に、たぶん机の上....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を刻してその墓を表わし霊犬誌といったとある。 インドのマラバル海岸のクイーロン
港口の築地に石碑あり。ゴルドン大佐てふ英人この辺の湖で泳ぎいると犬吠えてやまず。....
「堺事件」より 著者:森鴎外
田藩からも砲台へ兵を出して、望遠鏡で兵庫方面を見張っていてくれた。 夜に入って
港口へフランスの端艇が来たと云う知らせがあった。しかしその端艇は五六艘で、皆上陸....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、とうとう子鯨を取り返してしまった。 怒気、心頭に発した母鯨は、行手をふさいだ
港口の鯨舟数隻を、粉々にたたきこわすと、そのまま再び外洋に逃れ去ってしまった。 ....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
頁読みかくれば船底にすさまじき物音して船体にわかに傾けり。皆々思わず起き上がる。
港口浅せたるためキールの砂利に触るゝなるべし。あまり気味よからねば半頁程の所読ん....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
ちらとも私たちには不向のものだった。その下に古びた船員作業服が一着あった。方々の
港口の洲で海水を浴びたために白っぽくなっていた。母はいらいらしてそれをひっぱり出....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
を向いている。台北を本島の臍とすれば、基隆は足であり、高雄は手である。この高雄の
港口の突堤の上で、私は変なことを考えた。嘗て或る人が或る子供に向って、東京市内に....
「西航日録」より 著者:井上円了
一千四百五十海里なり。 シンガポールはマラッカ海峡咽喉の地にありて、実に枢要の
港口なり。万国の船これに出入し、万国の人ここに輻湊し、その盛況これを十四年前に比....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て群巒列島の間を縫いて航行す。両岸の風光は、わが内海の勝も三舎を避くるほどなり。
港口に着するや、軽舟に移りて上陸す。当州第三位におる都会なり。 第一は首府クリス....