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湖底
「湖底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湖底の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
(越後に入って信濃川)となり、硫黄岳は今日では、両川分水嶺の一座になっているが、
湖底が乾いて洲となり、河原となり、残丘となって、今の神河内を作った後までも、硫黄....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
まふ
妖※偸奪 えうこんたうだつ 夜水竜哭 やすゐりようこくす
言探
湖底 こゝにこていをさぐり 家珍還※ かちんとくにかへる
逆焔仍熾 ぎや....
「人間灰」より 著者:海野十三
を忘れたときは、いつまでも貴下のようになりやすいものです。こうしているうちにも、
湖底に潜った潜水夫が、六人の犠牲者の遺物を捜しあてて持ってくるかも知れません。…....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
形棺を作って、その中に十分腐敗を見定めてから死体を収め、それに長い紐で錘を附けて
湖底に沈めました。無論数日ならずして腹中に腐敗|瓦斯が膨満するとともに、その船形....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、水中の竜宮は有名な無熱池を始め河湖泉井までもすこぶる例多く秀郷が往ったのも琵琶
湖底にあったのだ。『出曜経』八に無厭足とて名から大強慾な竜王が己を祀《まつ》りて....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
一か所だけ円形な空地があるのはどういうわけかと思って考えてみた。おそらくそこだけ
湖底に凹所があって鳥の足には深すぎるので、それでそこだけが明いているのだろうと想....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
。 驚倒す暗中銃丸跳るを、野田城上|笛声寒し、誰か知らん七十二の疑塚、若かず一棺
湖底の安きに 最後の二句を解釈すると、昔|支那に悪王があって、死後塚の発かれん....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
来った水がここで湖となってしまい、自分と、道しるべとは島にされたならまだいいが、
湖底に埋没されたような形になって、群衆は米友の頭の上でしきりに踊り騒いでいる。 ....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
の中に模糊たる愁思を漂わそうとも、また、数々の名跡を周辺に鏤めようとも、畢竟は、
湖底は寺院の香の灰に蔽われてるという巷説を、否定できるものではない。それは人を眠....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
り、私たちは南雲さんの案内で、一碧湖へ遊びに行った。私はこゝでも水浴をやったが、
湖底が泥土で足クビまでめりこみ、おまけに水のなまぬるさ、湖水などとは思われない。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
士のマハラヤナ老がダイヤル土人の捕虜の口からこういうことを聞いたそうだ――それは
湖底のその宝庫を有尾人という原始人が守っているという事だがね。それが獰猛の人種で....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
だと思うだろう。勘がよければ、医務の内科主任がはてなと思うのだろうが、そのときは
湖底の吸込孔の中か、無縁墓地の土の下で腐っているはずだ。 五時二十分の名古屋発....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
た。 水番|小舎の付近に繋留された小舟四隻に分乗して、湖心に漕ぎ出しましたが、
湖底へ碇綱を下ろす必要も何もありません。この湖は一番深いところでも二丈ぐらいとい....
「三国志」より 著者:吉川英治
なるほど」 「二十八年始皇帝が洞庭湖をお渡りの折、暴風のために、一時この玉璽も、
湖底に沈んだことなどもありましたが、ふしぎにもこの玉璽を持つ者は、一身つつがなく....
「空飛ぶ悪魔」より 著者:酒井嘉七
不気味な時を刻んでいるはずだ。 彼の「水葬」が終った五分または十分の後に、彼を
湖底に導いた悪魔の標識も、船ともろともに湖水の底に没するのである。 この手記も....