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湧き水
「湧き水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
湧き水の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
春なので、東京の下町はまだ酷かったが、山の手は昔に変りはなかった。谷窪の家には、
湧き水の出場所が少し変ったというので棕梠縄の繃帯をした竹樋で池の水の遣り繰りをし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、待つ間に狩人は喉の渇をいやそうと、精気美しい眼をうごかしてあたりに耳を澄せつつ
湧き水のありかを求めました。どこかで淙々とした水の音がするらしいのに、目にふれる....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
で小さな人家がぽつぽつ建ってるきりで、雑草の荒地と菜園とが入り交っていた。泥池は
湧き水だが、赤く濁って、もう子供たちもそこでは遊ばず、木片を浮べて放置されたまま....
「崖下の池」より 著者:豊島与志雄
十坪あまり、浅いところが多く、最も深いところでも人の胸ほどでした。 崖から少し
湧き水があるので、自然に池の水が替わり、下手からちょろちょろ流れ出ていました。そ....
「西林図」より 著者:久生十蘭
もやい、茫々とした池の面が、薄光りながら鱗波《うろこなみ》をたてている。差し水か
湧き水か、しっとりと濡れた乱杭石のある池のほとり、紋服に袴をつけた冬亭と、薄袷の....
「猿ヶ京」より 著者:佐藤垢石
不叶という条件の許に、理想の人と共に暮らす人となった。 小屋の傍らには、清冽な
湧き水が、岩の裂け目から走っている。美人は、そこで麦や粟や稗をといでいるであろう....
「母子像」より 著者:久生十蘭
聞くと、かたじけなくて、身体が震えだす。母の命令なら、どんなことだってやる。磯の
湧き水は、けわしい崖の斜面を百尺も降りたところにあって、空の水筒を運んで行くだけ....