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「満水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

満水の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
家は七十軒も押し流されたとのうわさもある。彼が江州の草津辺を帰るころは、そこにも満水の湖を見て来た。 郷里の方もどうあろう。その懸念が先に立って、過ぐる慶応三....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
私は、船渠の開閉作業を見物しながら喬介の帰りを待つ事にした。 一時間して船渠が満水になっても、喬介はまだ帰らない。扉船内の海水が排除されて、その巨大な鋼鉄製の....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
、豊頃に至る。前九時なり。此れより十勝川を渡り藻岩村に向わんとす。然るに昨日迄は満水にて渡船無きも、今日に至り漸く丸木舟にて渡すとて川向に着す。川には流材多く危....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ぐらしたものだから、キレイに澄んでいて深さよりも浅く見えるかも知れないが、雨後の満水時でも腰よりも深いとは思われない。姪は一滴も水をのんでいなかった。飛びこむ前....
多神教」より 著者:泉鏡花
場の娼婦と寝たんべい。唯おくものかと、その奥様ちゅうがや、梅雨ぶりの暗の夜中に、満水の泥浪を打つ橋げたさ、すれすれの鉄橋を伝ってよ、いや、四つ這いでよ。何が、い....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
は塞いだ。 またもや念ずる法華経の偈の一節。 やがて曇った夜の色を浴びながら満水して濁った川は、どんと船を突上げたばかりで、忘れたようにその犠を七兵衛の手に....
三国志」より 著者:吉川英治
なに、気を失ったと。面に水をそそぎかけて、もっと打て、もっと打て」と、励ました。満水をかぶると、吉平はまた息を吹きかえした。同時に、その凄い顔を振りながら、 「....