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満足
「満足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
満足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
た。彼の論議が、もっともだと思われたのであろう。一同は互に軽い頷きを交しながら、
満足そうに黙っている。すると、その中で、鼻の高い顔だけが、思いがけなく、一種の感....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
からどうせ世の中は理想通りに行かないものだとあきらめて、好《い》い加減な候補者で
満足するさ。』と、世話を焼いた事があるのですが、三浦は反《かえ》ってその度に、憐....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ルはおお声に笑いました。
「それはむしろしあわせでしょう。」
「とにかくわたしは
満足しています。しかしこれもあなたの前だけに、――河童でないあなたの前だけに手放....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
ゅ》の杯《さかずき》を暖め、バンドの調子に合せては絶えず頭を動かしていた。それは
満足そのものと云っても、少しも差支《さしつか》えない姿だった。僕は熱帯植物の中か....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
葉青《ちくようせい》、肴《さかな》は鱸《すずき》に蟹《かに》と云うのだから、僕の
満足は察してくれ給え。実際僕は久しぶりに、旅愁《りょしゅう》も何も忘れながら、陶....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
たと云うのでも、知れるのである。
彼は、むしろ、宗俊に煙管をやった事に、一種の
満足を感じていた。あるいは、煙管を持っている時よりも、その
満足の度は、大きかった....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ものが、かんがりと灰を照らしている。その火気を感じると、内蔵助の心には、安らかな
満足の情が、今更のようにあふれて来た。丁度、去年の極月《ごくげつ》十五日に、亡君....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
けないでしょうか? どうもこの頃は読者も高級になっていますし、在来の恋愛小説には
満足しないようになっていますから、……もっと深い人間性に根ざした、真面目《まじめ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
れもまたかぷりと食らいついた。
「さあ、それでよろしい。」
二十前後の支那人は
満足の微笑を浮かべながら、爪の長い両手をすり合せている。半三郎はぼんやり彼の脚を....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
。こう云う傾向の存する限り、微細な効果の享楽家には如何なる彼の傑作と雖も、十分の
満足を与えないであろう。 ショオとゴオルスウアアズイとを比較した場合、ショオは....
「初雪」より 著者:秋田滋
どと云うことは、夢にも考えてみたことはなく、現在の自分の生活、現在の自分の快楽に
満足しきっている彼は、世にも幸福な人間だった。彼はこうした荒寥たる国に生れ、ここ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
かせぬ程になり、十五の歳新潟へ出て英学をせしが教師の教うるところ低くして予が心に
満足せず。八大家文を読み論語をさえ講義し天下を経綸せんとする者が、オメオメと猿が....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たら、ファラデーは多少失望して見えた。 ファラデーがある事実を知るのには、充分
満足するまでやって見ることを必要とした。それですっかり判ると、その次にはこれを他....
「寡婦」より 著者:秋田滋
い。そんな年端もゆかぬ子供の愛をまにうける者がどこにあるでしょう! 私はその子が
満足するだけ接吻をしてやりました。優しい手紙も書きました。その手紙は母親たちも読....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
きつれて、教会の聖歌隊の場所の正面に席をしめることは、彼の虚栄心をなみなみならず
満足させたものである。そこに立つと、彼は牧師から完全に勝利をうばいとったような気....