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満開
「満開〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
満開の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》はかく言い捨てて乗り込みたり。 その年紀《としごろ》は二十三、四、姿はしいて
満開の花の色を洗いて、清楚《せいそ》たる葉桜の緑浅し。色白く、鼻筋通り、眉《まゆ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ある。しかし、このアリ・ザデとアルハーゼンとの考えの相違は、アルハーゼンの時代に
満開の花盛りを示したかの回教文化がなにゆえに今日もはや新しい芽を出し得ないかとい....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
にかなるだろうと思っているうちに、郊外にも四月の春が来て、庭にある桜の大木二本が
満開になった。枝は低い生垣を越えて往来へ高く突き出しているので、外から遠く見あげ....
「天馬」より 著者:金史良
ようにつかつかと支械の傍へ進んで一枝を取り上げじいっと思いをこめて見上げた。今を
満開に咲き誇っている薄紅色の花が二十程もつづらなりに枝をおおうている。 「さあ、....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
っても、花は一時に咲くので、その一ならびの塀の内に、桃、紅梅、椿も桜も、あるいは
満開に、あるいは初々しい花に、色香を装っている。石垣の草には、蕗の薹も萌えていよ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
ぐと見えない、もの静かな品の好さで、夜はただ黒し、花明り、土の筏に流るるように、
満開の桜の咲蔽うその長坂を下りる姿が目に映った。 ――指を包め、袖を引け、お米....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。 そうそういつか私がお詣りしたのは丁度春の半ばで、あちこちの山や森には山桜が
満開でございました。走水は新井の城から三四|里ばかりも隔った地点なので、私はよく....
「春」より 著者:岡本かの子
した紅椿の上枝の花は、少し萎れかかって花弁の縁が褐色に褪せているが、中部の枝には
満開の生き生きした花が群がり、四月下旬の午後になったばかりの精悍な太陽の光線が、....
「錦紗」より 著者:犬田卯
て死んでしまってやる……」 暁方から沼向うの町で花火が上り出した。S川堤の桜が
満開になって、花見の客をよぶそれは合図なのであった。 兄貴の和一が昨夜おそいと....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
だ祇園の景色。で、この間、枝ぶりを見て返ったばかりの名木の車輪桜が、影の映るまで
満開です。おかしい事には、芸妓、舞妓、幇間まじり、きらびやかな取巻きで、洋服の紳....
「山吹」より 著者:泉鏡花
お花見酒だ。……お旦那、軒の八重桜は、三本揃って、……樹は若えがよく咲きました。
満開だ。――一軒の門にこのくらい咲いた家は修善寺中に見当らねえだよ。――これを視....
「郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
にかなるだろうと思っているうちに、郊外にも四月の春が来て、庭にある桜の大木二本が
満開になった。枝は低い生垣を越えて往来へ高く突き出しているので、外から遠く見あげ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
やく加わり、春天の融和を見る。筑山・壱州に応接して、午後四時、長崎に入港す。桜花
満開の期を過ぎ、八重桜の最中なり。小島町正覚寺に至り、有馬憲文氏を訪問す。親鸞上....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
らうらとのどかなる日の気色いとをかしきに……(二十段) などは、うららかな春昼、
満開の桜の枝と大納言(若い皇后定子の兄君|伊周公である)との配合の美しさである。....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
月も末の二十九日で、自分の郷里の阿波などでは、疾くに普通の桜は散りかけて、八重桜
満開の時期なのだから驚く。 自分らの橇の通っている下はことごとく水田で、道路も....