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満願
「満願〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
満願の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
いす》が啼いている。
「それが、三七日《さんしちにち》の間、お籠りをして、今日が
満願と云う夜《よ》に、ふと夢を見ました。何でも、同じ御堂《おどう》に詣《まい》っ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
された。その日は八月八日と定められた。 「ほう、さりとは不思議。あたかも七十日の
満願の当日じゃ」と、泰親はうなずいた。 彼はすぐに信西入道のもとへ使いを走らせ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
身を捨てんと、すでにかつて九百九十九身を捨てたれば、今日この虎のために身を捨てて
満願すべしと、師曰く卿《けい》の志願妙なり必ずわれに先だちて得道すべし、得道せば....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のひとりの小町を届けると申したのに、けさになってもたよりのないのはいかがされた。
満願の日まではあと幾日もないゆえ、そうそうお運びしかるべし。さもなくば、奉納金五....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
う云って、内の才ちゃんに話したんですって。――あの、そのね、谷中へ願掛けをした、
満願、七日目よ、……一七日なんですもの。いつもお参りをして帰りがけに、しらしらと....
「俊寛」より 著者:倉田百三
さい。この上もはや成経殿を―― 成経 言ってください。早く言ってください。 俊寛
満願の夜成親殿は秘密の露顕することを恐れて七人の僧侶を殺して、その死骸を地の中に....
「多神教」より 著者:泉鏡花
ました。 神職 (御堂を敬う)ああ、神慮は貴い。非願非礼はうけ給わずとも、俗にも
満願と申す、その夕に露顕した。明かに邪悪を退け給うたのじゃ。――先刻も見れば、そ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、鼻、四肢、腹、心臓という具合に、毎日一カ所ずつ焼穴をあけてゆく。……二十一日で
満願になるんだあ」
岩井もさすがにぞっくりと冷気《さむけ》だった面持で、
「嫌....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
通るのを待っておった。……わしがここへ坐りこんでから、今日がちょうど二十一日目の
満願の日。……これもみな仏縁、軽いことではござない」 老僧は、クヮッと眼を見ひ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
くりうなずくと同時に、さては死に花の探索に思わぬ眼鼻がついたのか、あるいはあの、
満願寺屋《まんがんじや》水神《すいじん》騒ぎの一件か、それとも、ことによったらい....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
て連ね、斜に路地の奥深く、南無妙法蓮華経の赤い提灯《ちょうちん》をつるした堂と、
満願稲荷《まんがんいなり》とかいた祠《ほこら》があって、法華堂の方からカチカチカ....
「犬」より 著者:正岡子規
んげ》した上で、どうか人間に生れたいと願うた、七日七夜、椽の下でお通夜して、今日
満願というその夜に、小い阿弥陀《あみだ》様が犬の枕上に立たれて、一念発起の功徳《....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
草が松ヶ枝に金重の銘のある小刀を打付け、精神を凝して呪いましたが、丁度廿一日目の
満願の日に当って、伊之助の足の左の親指が痛み始めてまいりましたが、酷く痛み出し、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
和泉国の松尾寺では、かねがね北条退治の如意輪ノ法を修していたところ、ちょうどその
満願にあたる日に、千早の囲みが解けたと、その「松尾寺文書」は仏徳を誌している。事....