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「溜る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

溜るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒百合」より 著者:泉鏡花
だ。金剛石だって、高々人間が大事がって秘っておくもんだよ、慾の固だね。金と灰吹は溜るほど汚いというが、その宝を盗んで来るのは、塵芥溜から食べ荒しをほじくり出す犬....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
る。 その流れるに従うて、我が血を絞り出されるようで、堪え難い。 次第に雨が溜るのか、水が殖えたか、投出してる足許へ、縮めて見ても流が出来て、ちょろちょろと....
故郷」より 著者:井上紅梅
金があればあるほど塵ッ葉一つ出すのはいやだ。塵ッ葉一つ出さなければますますお金が溜るわけだ」 コンパスはむっとして身を翻し、ぶつぶつ言いながら出て行ったが、な....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、もすこししっかりして、心配の種を蒔かないで呉れると、もっと働けて、そんなお金が溜るかもしれない。これ御覧、お父様の頭なんざ、こんなに毛が薄くなった」 父親が....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
ぐり込んでいたものが自然に落ちたり、羽ばたきする度に落ちたりして、それが籠の中に溜るんだね。それから最初に来た鳩の胃袋から出た軍配虫、それ等から想像して見当がつ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いる気持ちとか、 それらは体の皮膚にたまる老廃物と同じく 人間の心象のはたらきに溜る老廃物です。 さんげすることは 一体の皮膚を洗い流すと同じに 心の皮膚に溜っ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ンズ・イメージ》とかいうようで、よく折に触れて経験することですが、眼に涙が一杯に溜ると、そのために、美しいものでも歪んで見え、またこよなく醜いものが、端正な線や....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
類の善行者たちも自分の豊かな力に傲りはしない。もしも重い〔〕睫毛の下に涙が膨らみ溜るならば、それが溢れ出ないように、つよい勇気をもってこらえよ。通る径があるいは....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
にも思われて、ちょっと渋い姿を見せている。一方の腹面には凹処があって、そこに水が溜る。頂上にはわざと削ったような平面が少しある。 鶴見はその石の頂上にある平面....
博物誌」より 著者:岸田国士
手桶のなかにどくどくと血が流れ出す。その桶には、ふだんなら乳がいっぱいなみなみと溜るのである。 血を止めるために、獣医は血管のなかへ鋼鉄の針を通す。 それか....
豚群」より 著者:黒島伝治
小作人とは、彼は類を異にしていた。けれども、一家が揃って慾ばりで、宇一はなお金を溜るために健二などゝ一緒に去年まで町へ醤油屋稼ぎに行っていた。 村の小作人達は....
風流仏」より 著者:幸田露伴
あてが外れて其晩吹雪|尚やまず、女の何としてあるかるべきや。されば流れざるに水の溜る如く、逢わざるに思は積りて愈なつかしく、我は薄暗き部屋の中、煤びたれども天井....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ざぶと水のかかるところだけ苔が真青に附いています。もやってある船に乗込んで、人の溜るのを待つ間はそわそわとして落ちつきません。やっと人が集ると、船頭が来て纜を解....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
ツ/\と鼠が巣を造るように蓄めた金で、高利貸を初めたのが病みつきで、段々少しずつ溜るに従っていよ/\面白くなりますから、大《たい》した金ではありませんが、諸方へ....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
私どもの身体は、ちょうど、一本の菩提の樹だ。心は清く澄んだ鏡である。しかし塵埃が溜るを開いたように、私どもは「化粧と修養」のほんとうの意味を、内面的に思索し、生....