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溶岩
「溶岩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
溶岩の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
「まだそのときのわたくしは、きしゃな細火を背骨にし、べよべよ撓《しな》るほどの
溶岩を一重の肋骨として周りに持ち、島山の中央の断《き》れ目から島地の上へ平たく膨....
「浮浪漫語」より 著者:辻潤
食って生きている。僕はこの妄想に不断の燃料を加えて、愈々益々それを白熱化し絶えず
溶岩を虚空に向かって奔出させる物凄いヴォルカノの姿にしてみたいと思っている。 ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
かりませんでした。そしてスズ竹の中を東方へ下って川に出ました。この川も以前の川も
溶岩の中を流れています。但馬のスキー場|神鍋山と同じ頃か、もっと古い火山でしょう....
「九州の東海岸」より 著者:宮本百合子
ようなそれ等の巖のギザギザに引っかかったまま固着したのか、または海中噴火でもし、
溶岩が太平洋の波に打たれ、叩かれ、化学的分解作用で変化して巖はそんな奇妙なものと....
「浅間山麓」より 著者:若杉鳥子
実をつけている。時々野薔薇がむせぶように高い香を送って来た。白樺や落葉松の間の、
溶岩の散らばった路を上って行くと、急に平らな丘の上に出て、浅間はもう眼の前に噴煙....
「浅間山麓より」より 著者:寺田寅彦
いる。どこか泉鏡花の小説を想わせるような雰囲気を感じる。 翌日自動車で鬼押出の
溶岩流を見物に出かけた。千ヶ滝から峰の茶屋への九十九折の坂道の両脇の崖を見ると、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
甲騎兵はもはや騎兵隊ではなくて暴風雨であった。各方陣は雲霧に襲われた火山であり、
溶岩《ようがん》は雷電と争闘した。
右端の方陣は、掩蔽物《えんぺいぶつ》がなく....
「不周山」より 著者:井上紅梅
赤の雲の間には光芒四射する太陽が一つあって流れ動く金の玉のごとく、大昔の荒漠たる
溶岩のなかに包まれている。その一方には鉄のように冷く白い月がある。彼女は、どちら....
「新春・日本の空を飛ぶ」より 著者:坂口安吾
キリと、二ツの色と形が美しく面白い。西洋菓子のよう。砂漠の西方へ三本半の真ッ黒い
溶岩の流出が見える。もう煙はない。富士が見える。頭だけ雪。平凡な富士だ。真上をと....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
一合目に在る小富士を噴出させたり、精進湖と西湖は、もと一つの湖であったのを山から
溶岩を流して今のように二つの湖に中断したり、富士にも富士山麓の形態にさえ多少の影....