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溺る
「溺る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
溺るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ました。 「毎夜々々、うるさい事を申す奴よな。わしが女子《おなご》や酒にたやすく
溺るる事が出来たら、このように退屈なぞいたさぬわ」 あっさりその手を払いすてる....
「連環記」より 著者:幸田露伴
持ちそうもない定基の母にも添うて、右衛門は或日定基にむかって、美しいのみの力寿に
溺るることの宜からぬことを説き、妻をやさしくあつかうべきことを、説きすすめたので....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
られたとかいう、生温い声明が無ければ、米友といえども、薬草であることは知るまい。
溺るるものは藁《わら》をもつかむということだから、崖をでも辷《すべ》り落ちる途端....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
裳を外。 蚊帳が顔へ搦んだのが、芬と鼻をついた水の香。引き息で、がぶりと一口、
溺るるかと飲んだ思い、これやがて気つけになりぬ。 目もようよう判然と、蚊帳の緑....
「六月」より 著者:相馬泰三
へ、もう少しで君の記事が載るところだったよ。すんでのことでさ」 「新聞配達夫水に
溺るってね」 三面の主任がこうつけ足して笑った。 外務主任がやって来た。二面....
「立枯れ」より 著者:豊島与志雄
、それに反撥する力もなく、涙ぐましい気持に陥りながら、しきりに酔いを求めて、丁度
溺るる者が水面に浮び出ようと※くく」は底本では「椀く」]ように、徒らに饒舌ったり....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
をもって人類生涯の事となすべきや。思わざるのはなはだしきものなり。人として酒色に
溺るる者はこれを非常の怪物と言うべきのみ。この怪物に比較して満足する者は、これを....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、男性の道に情痴な茨を横たえはしない。なんの足手|纒いになるわけはない。――ただ
溺るることを誡めて、自分さえ、乱れなければ。
(そうだ、江戸表まで一緒に行って、....
「三国志」より 著者:吉川英治
然、城内から趙雲以下の全軍が追撃して来たため、漢水の流れにかかるや、ここかしこに
溺るる者、討たるる者、その数も知れぬほどだった。 横道から米倉山の一端へ出て、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
無数の廃残者、 海中の遁走者、膃肭獣、 弱者、負傷者、 老大獣、 力尽き
溺るるもの、波とともに盛りあがる、死屍、腐爛した頭。 再び跳躍し、潜行し、 ....