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「滅失〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

滅失の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
水灌漑等により人為的に生産せられた土地資本がある。また地震により河水の氾濫により滅失する土地資本もある。しかしこれらは少数であって、従って少数の例外を除けば、土....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の中のすべてが嫌になるのも同じだった。あらゆる人が信じられないとしたら……彼女は滅失の底に泣き沈んだ。 だが―― 彼女は、ふと、泣き顔を、押しあてている樹の....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
俯向きがちな彼女の力のない横顔を見れば、草の色も真っ暗に見えているであろうほど、滅失の中の人だったが、そういった言葉の語尾には、沢庵も眼をひらいて見直すくらい、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なった。急に世の中のすべてのものに光がなくなって、元のような――いや今までにない滅失に心が囚われた。笑っている城太郎の味噌ッ歯が、憎く見えて、腹が立って、こんな....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、見ていられない心地がする。この人間は、自己の社会的な地位から転落して、すべてに滅失した時に、仏陀の救いとか、法悦の境というものがあることまで、見失ってしまった....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
もその周囲も、じっと、動かないことに努めていた。 が――蔽いようもない敗色と、滅失の惨気が、巌流の勝ちを信じていた人々のうえを包んだ。 「……?」 しかもな....
三国志」より 著者:吉川英治
操が、馬の鞍に抱えられて帰ってきたので、全軍の士気は墓場のように銷沈してしまい、滅失の色深い陣営は、旗さえ朝露重たげにうなだれていた。 「何。将軍が戦傷なされた....
三国志」より 著者:吉川英治
もだめです。長い人生に処するには、得意な時にも得意に驕らず、絶望の淵にのぞんでも滅失に墜ちいらず、――そこに動ぜず溺れず、出所進退、悠々たることが、難しいのでは....
私本太平記」より 著者:吉川英治
い。波濤と松風とが、交互に廂を吹きめぐっている。 「……どうかなる」 自暴でも滅失でもない。易学の易理が腹に据っていたのだ。従来、幾多の禅家や智識に会って、究....
私本太平記」より 著者:吉川英治
心の腐敗土だったが、こんどは世直しの世と期待していた建武新政にも失望して、前途の滅失を感じだしたとなると、いまやそれは極端にまでなってきた。信じられるのは、せつ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
まったく拠り所を失った大傷手ではあったものの、同時に妙恵のこの一書が、いかに彼の滅失を鞭打し励ましたことか、これも、はかり知れないものがある。おそらく、彼の胸に....
私本太平記」より 著者:吉川英治
存亡を疑い、身ひとつの去就に迷うなどとは、何としたことでしょうか」 と、人々の滅失を、大いに醒ました。 そのうえ、ここにまた、悲腸の廷臣たちを力づけたものが....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
だったかもしれないのである。そして時には時代に逆行し、時代に抛り捨てられ、苦悶や滅失の底をずいぶんと、彷徨ったことだろうとも考えられる。 しかし、それにも訓え....
黒田如水」より 著者:吉川英治
う思いつめると、今は官兵衛の生への執着も日毎にうすくなった。心のどこを探しても、滅失以外のものが見出し難いここちになった。 「むしろ死なんか!」 ある日、ふっ....