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「滑々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

滑々の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
の感じから暗澹たる色彩を奪ったのは、ほとんど美しいとでも形容したい、光《ひかり》滑々《かつかつ》たる先生の禿げ頭で、これまた後頭部のあたりに、種々《しょうしょう....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
すよ、と云う。 可し、神仏もあれば、夫婦もある。蝋燭が何の、と思う。その蝋燭が滑々と手に触る、……扱帯の下に五六本、襟の裏にも、乳の下にも、幾本となく忍ばして....
南地心中」より 著者:泉鏡花
たらない。 狂犬がむっくり、鼻息を吹直した。 (柿があるか、剥けやい、)と涎で滑々した口を切って、絹も膚にくい込もう、長い間枕した、妾の膝で、真赤な目を※くと....
深夜の市長」より 著者:海野十三
、それから僕は手探りに、左の方の壁を撫でまわした。それは漆喰で固めてあるらしく、滑々した表面を持っていたが、果然指先に、壁の面から飛びだした固いものを探りあてた....
季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
の、そして質朴な、あの樹皮です。あの龍のような不格好《ぶかっこう》な老樹が、もし滑々《すべすべ》した肌をもっていたら、それはとても見られたものではないでしょう。....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
で、邪魔になる灌木を押し分けながら、足を早めてその樹の側に近寄って往った。そして滑々した樹の肌をひとしきり手で撫でまわした後、私はそっと自分の背を幹にもたせかけ....
秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
らその庭への出口はたくさんあった。が庭から世の中への出口がないのだ。周囲は高くて滑々で登る事の出来ない塀にとりかこまれて、塀の上には盗難よけの釘が列をつくってい....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
這い出して来て、先のと絡み合いながら、これもパリ/\卵の殻を喰いはじめた。青黒い滑々したあの長細い体が、生き縄の様に眼の前に伸びたり縮んだりするのは、見て居て気....
魔像」より 著者:蘭郁二郎
え見えるのだった。 ――だが、そうして寺田も、この現像の操作を見ている中、あの滑々とした乾版の片隅に、ぽつんと薄黒い汚点が浮くと急にそれが、乾版一杯に拡がって....
象牙の牌」より 著者:渡辺温
何れも素晴しいルビイの芯を有っているのです。その真赤な宝石の色の鮮かさは、真白い滑々の象牙の中に埋まって不気味な迄に生き/\として――何故かそんな感じがしました....