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滑脱
「滑脱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滑脱の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
すればいいつもりで、御嬢さんの意向までは確かめて来なかったのである。従って円転|
滑脱《かつだつ》の鈴木君もちょっと狼狽《ろうばい》の気味に見える。
「だろうた判....
「惜別」より 著者:太宰治
ず平素の御無音をついでに謝した。 「いや、僕こそ。」と外交官の甥はさすがに円転|
滑脱である。「あの晩は酔いすぎて、僕はたいへんいけませんでした。あとで、僕は藤野....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
いなる悲しみをいだいて死んで行ったであろう。 この頭の働きの領土の広さと自由な
滑脱性とに関して芭蕉と対蹠的《アンチポーダル》の位置にいたのはおそらく凡兆のごと....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
権力を得んとて突進する一平民に見るような貪欲《どんよく》をそなえていた。また円転
滑脱で、環境と相手とに従って様子を変えるのが巧みで、もっともらしい様子でよくしゃ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
人なんですけれど。」 「ふむ。」準之助氏は止むを得ずうなずいた。夫人がこうも円転
滑脱、弁舌さわやかに、自分の立場を明らかにした以上、こっちからそれを崩しにかかる....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
思ったりした。 豊竹呂昇《とよたけろしょう》――ほんとにあの女《ひと》こそ円転
滑脱な、というより魅力をもった声の主だ。彼女の顔かたちが豊艶なように、その肉声も....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
ランの如きは、もっとも彼を敬重し、何彼と好意を寄せた。 彼の堂々たる、又、円転
滑脱たる外交ぶりは、ざっと次のような有様だったのである。 難問題に就いて、彼は....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
衛、又の名を小林城三といった油会所の手代であった。が、伊藤八兵衛の智嚢として円転
滑脱な才気を存分に振ったにしろ、根が町人よりは長袖を望んだ風流人|肌で、算盤を持....