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滑車
「滑車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滑車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
を挙げて髪をいじっている間に彼れは思い切って半分ガラスになっている引戸を開けた。
滑車がけたたましい音をたてて鉄の溝を滑《すべ》った。がたぴしする戸ばかりをあつか....
「生きている腸」より 著者:海野十三
る。 窓ガラスは、するすると上にあがった。うべなるかな、熊本博士は、窓を支える
滑車のシャフトにも油をさしておいたから、こう楽に上るのだ。 よって医学生吹矢は....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
れはあやつり人形と同じような仕掛で、何本かの鎖《くさり》が下に垂れていて、それを
滑車《かっしゃ》とハンドルのついた巻取車で巻いたり、くり出したりすればいいので、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
っ暗な工場がございます」 「そこには何があるんだい?」 「いつも呻いている無数の
滑車と、いつも噛み合っている無数の歯車と、そうしていつも走り廻わっている数百本の....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
をろうする音響をトタン張りの天井に反響させていた。鉄骨の梁を渡っているシャフトの
滑車の各機械を結びつけている幾条ものベルトが、色々な角度に空間を切りながら、ヒタ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
、赤見沢博士の傍へ来た。その綱は、天井から垂《た》れていた。よく見ると、天井には
滑車《かっしゃ》がとりつけてあり、綱はそれに掛っていて、上下自在になっていること....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
内側に海綿《かいめん》がはりつけてあるものを作っておきます。これを1と2の二つの
滑車《かっしゃ》にかけて、あのように一部分は水に浸《ひた》します。このままで、し....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
信からきているようであった。次長はもう黙っているほかなかった。 怪物の死骸は、
滑車にとおした長い綱によって、簡単に地上へ運ばれた。そこにはすでに、解剖に便利な....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
もないに相違ない。 然し、クズレた甘さというものは、キチガイめくものがあった。
滑車が、ふとすべりだして、とまらなくて、自分でどうすることもできないようなダラシ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
なく船をつないだ大づなは解かれて、船頭はかじを、御者は手づなを取った。引きづなの
滑車がぎいぎい鳴って、馬は引き船の道をカッパカッパ歩きだした。 これでも動いて....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
音と、キールにぶつかる波の音を聞くだけであった。やがて足音が上の甲板に聞こえて、
滑車が回りだした。帆が上げられて、やがて急に一方にかしいだ。動き始めたと思うまも....
「博物誌」より 著者:岸田国士
― 外には、なんの気配もない。 しかし、彼はまだ安心できないらしい。 で、
滑車の軋む鎖で、地の底へ降りる。 あとはなんにも聞えない。 静まり返った野原....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
の楽園に水が欠乏して居る事よ。一杯の水を飲もうとしても数百年前に出来た古い井戸の
滑車を五分間も廻さなければ汲み出せないの然かも濁った水よ。駅や小学校の控室には飲....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
来ない。
己に用のない古道具奴。お前達は父の手沢のお蔭でここにいる。
火皿を弔る
滑車奴。お前はこの机に濁った燈火がいぶっている限、
夜な夜な煤けて行くばかりだ。....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
側に二階に通じる階段があって、これを登りきると、階段の部分の空間が、横手から軽い
滑車の音と共に滑り出す床板によって遮断される。こうした方法によって(もし、そうし....