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滞
「滞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
間《あいだ》かれこれ一週間ばかり、岐阜県《ぎふけん》下の大垣町《おおがきまち》へ
滞在する事になった。元来地方有志なるものの難有《ありがた》迷惑な厚遇に辟易《へき....
「母」より 著者:芥川竜之介
たし》と同じ名だわね。あの方はもう御立ちになったの?」
「いいえ、まだ五六日は御
滞在《ごたいざい》でございましょう。それから何でも蕪湖《ウウフウ》とかへ、――」....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
とまって、表向きの仲人《なこうど》を拵《こしら》えるが早いか、その秋の中に婚礼も
滞《とどこお》りなくすんでしまったのです。ですから夫婦仲の好かった事は、元より云....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
じゃない。上海《シャンハイ》にだろう。」
「支那にさ。北京《ペキン》にもしばらく
滞在したことがある。……」
僕はこう云う彼の不平をひやかさない訣《わけ》には行....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
中国街道《ちゅうごくかいどう》をはるばると広島の城下まで上って行った。が、そこに
滞在して、敵《かたき》の在処《ありか》を探《さぐ》る内に、家中の侍《さむらい》の....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
確か七時か七時半だった。僕は食事をすませた後、薄暗い船室の電灯の下《もと》に僕の
滞在費を計算し出した。僕の目の前には扇が一本、二尺に足りない机の外へ桃色の流蘇《....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
……わたしはこの温泉|宿《やど》にもう一月《ひとつき》ばかり
滞在《たいざい》しています。が、肝腎《かんじん》の「風景」はまだ一枚も仕上《しあ....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
てもまっ暗だった。僕は彼是《かれこれ》十年|前《ぜん》、上総《かずさ》の或海岸に
滞在していたことを思い出した。同時に又そこに一しょにいた或友だちのことを思い出し....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
僕は今この温泉宿に
滞在しています。避暑する気もちもないではありません。しかしまだそのほかにゆっくり....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
馬の脚を見たのも幻覚《げんかく》に陥ったことと信じている。わたしは北京《ペキン》
滞在中、山井博士や牟多口氏に会い、たびたびその妄《もう》を破ろうとした。が、いつ....
「或る女」より 著者:有島武郎
、葉子の心は無理無体な努力で時々驚いたように乱れさわぎながら、たちまち物すごい沈
滞の淵《ふち》深く落ちて行くのだった。葉子の意志はいかに手を延ばしても、もう心の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
雨に比べると、この仕事の方が遥かに手数がかかるのじゃ……。』 私が滝の修行場へ
滞在した期間はさして長くもなかった上に、あそこは言わば精神統一の特別の行場でござ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
部屋にやっと前の短篇を書き上げ、或雑誌に送ることにした。尤も僕の原稿料は一週間の
滞在費にも足りないものだった。が、僕は僕の仕事を片づけたことに満足し、何か精神的....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
全部をするのではない、助手が手伝いをするのではあるが。 これらの講義は、著者も
滞英中、聴きに行ったことがある。聴衆は多くは半白の老人で、立派な紳士が来る。学者....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
みる島民の目は冷たかった。また私も離れ島でじっとしていることに耐えられなくなり、
滞在わずか数ヵ月で東京に舞いもどった。翌年徴兵検査でまた三宅島へ帰ったが、この時....