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「滞京〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

滞京の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
て来ると云うので、城壁に銃眼を穿ち始めると云うさわぎである。 慶喜は、このまま滞京していてはいかなる事変が突発するかも知れないと思ったらしく、激昂する麾下を慰....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
場合にたちいたり申すべく候。当節、大樹帰城の儀、叡慮においても安んぜられず候間、滞京ありて、守衛の計略厚く相運らされ、宸襟を安んじ奉り候よう思し召され候。英艦応....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
に存候。しかし御方様よりの仰せに付、畏まり奉る。まことに身に余る面目。老体を顧ず滞京、千代造稽古の儀|御請申上候」 と翁の手記に在る。 同年一月十九日、芝能....
菜穂子」より 著者:堀辰雄
め》していて、心もちが悪くなります。」山の乾燥した空気に馴れ切ったおようは、この滞京中、そんな愚痴を云っても分かって貰えるのは明にだけらしかった。おようは何処ま....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
しまだ衰弱しているので、父の方も十分静養せねばならぬところから、更に数日そのまま滞京していた。 浅井の叔父は、その頃大分酒を飲み、父の枕頭でもちびりちびりと盃....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の時は、ああやって書かなくては気が持たなかったのよ。 国は十九日から七月三日迄滞京。いろいろの重要な用事を順調に果すことが出来ました。いい工合に、その間は東京....
審判」より 著者:カフカフランツ
、Kには眼に見えるようだった。叔父は絶えずせかせかしていたが、いつもただ一日しか滞京しないのに、そのあいだに計画してきたことをみんな片づけなければならない、その....
新撰組」より 著者:服部之総
、警視総監としての肥後守をいっそう多忙ならせたではないか。 そこで「浪士組」は滞京わずか二十日ほどで再び江戸へ帰された。公式の理由は、折から切迫した英幕危機に....
私本太平記」より 著者:吉川英治
を用いて、なお詮議をつづけていたのじゃ。つい過日までも」 「しからば、この高氏が滞京中の行為に、何か他にも不審とみゆる証拠でもつかみえたか」 「ありがたく思われ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
びしいことも知りすぎていた。 正行がここにいたのは、わずか三日ほどだった。――滞京中には、服部治郎左衛門に連れられて、洛中を見てあるき、東西の市ノ棚では、弟た....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
二十日に入京して、二月四日には、もう京を発して一ノ谷へ向かうことになる。その間の滞京期間はわずか半月足らずでしかなかった。 だから古典平家も盛衰記も、「義仲最....
西園寺公の食道楽」より 著者:北大路魯山人
月二十八日の「東京朝日新聞」紙上に、如上のような三段抜きの見出しの下に、 「園公滞京中、駿河台付近の人々の不思議がったのは、園公邸から時折田舎めいた煙の立ち上る....