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「滲みる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

滲みるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
な被害には相違ありません。 若杉さんは、生れて初めて、罪の及ぼす影響を、骨身に滲みるほど感じました。 それは、若杉裁判長の、今まで懐いていた罪悪観を、根底か....
南路」より 著者:宮本百合子
を漲したものであった。遠く離れている彼等の心配と、幸福を祈ってくれる心持とが胸に滲みるように感ぜられた。 恐らく父は、食堂の隅にあるライティング・テーブルの前....
異郷」より 著者:寺田寅彦
光も、浜辺のような白い砂地のかがやきも、見るもののすべての上に灰色の悲しみが水の滲みるように拡がって行った。 「あなたはどうしてそんなに悲しそうでしょう。」 ....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
階の窓は、急にまっ暗になってしまいました。と同時に不思議な香の匂が、町の敷石にも滲みる程、どこからか静に漂って来ました。 四 その時あの印度人の婆さ....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ウは、外洋へでると大悦びだったが、そんなことを聴くと、キューネは鼻の奥がじいんと滲みるような思い、自分はドイツ、ナエーアはサモアへ……。いずれも帰心矢のごとしと....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
心配をしました。御覧済みとなって御入御になった時はほっとしました。今日でも骨身に滲みるようにその時心配をした事を記憶しておりますが、実は、聖上御覧の間に、楠公の....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
めて来たので、彼は渇きを思い出した。岩の根へ屈んで水をすすった。水のうまさが舌に滲みる。彼は自分で、 (おれの精神は紊れてない) ということをそれでも知った。....