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滴下
「滴下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滴下の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
紅雪を標品として採集するには、雪と共に瓶の中へ入れ、フォルマリン薬を臭気強いまで
滴下して置けば、雪は無論溶けるが、藻は保存が出来る、ただし紅色はやや久しいうちに....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
《ブルーメ》と呼ぶは、アドニス殺された折りヴェヌス嘆き男の尸《しかばね》から血一
滴下るごとに女神の眼から涙一点落ち血は薔薇涙はアドニス花となった故とか、一説に爾....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
下駄の跡と、モヨ子の外出|穿きの赤きコルク草履が正しく並びおり、その傍より蝋燭の
滴下起り、急なる階段の上まで点々として連なれり。
階上の状況、及、被害者の屍体....
「夏」より 著者:寺田寅彦
リバリと音を立てて吹き付ける焔の輻射をワイシャツの胸に受けながらフラスコの口から
滴下する綺麗な宝石のような油滴を眺めているのは少しも暑いものではなかった。 夕....
「猫の穴掘り」より 著者:寺田寅彦
の氷に接触すると騒動が起る。 水の中に濃硫酸をいれるのに、極めて徐々に少しずつ
滴下していれば酸は徐々に自然に水中に混合して大して間違いは起らないが、いきなり多....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
自然科学では法則を求めるのが目的だから個性的ということは問題でない。熱鉛を水中に
滴下すれば、さまざまの奇形を生ずる。しかし一つ一つの形は自然科学には一顧の価もな....