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滾
「滾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
滾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、ほとんど必死に書きつづけた。
頭の中の流れは、ちょうど空を走る銀河のように、
滾々《こんこん》としてどこからか溢《あふ》れて来る。彼はそのすさまじい勢いを恐れ....
「或る女」より 著者:有島武郎
》で酒の香《か》に寄りたかって来る蚊を追い払っていた。二人の間にはもう元のように
滾々《こんこん》と泉のごとくわき出る話題はなかった。たまに話が少しはずんだと思う....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
大空が先ず雪に埋められたように何所《どこ》から何所まで真白になった。そこから雪は
滾々《こんこん》としてとめ度なく降って来た。人間の哀れな敗残の跡を物語る畑も、勝....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
んだろうか。怪人たちは移動したんだろうか」 「でも、われわれは動けないと、咋日|
滾《こぼ》していたようだが……」 「そうだったね。だが、たしかに見えない。早く傍....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
して来ました。電話のベルが廊下のあなたに三度四度と鳴らされて行きました。「坩堝に
滾りだした」不図こんな言葉が何とはなしに脳裡に浮びました。 室の外の長廊下の遠....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
にしっかり抱かれてしまいました。失恋した笛吹川画伯の様子は珍無類でした。彼は泪を
滾したり、無口の人となる代りに、大層快活になり、能弁家になりました。一間に閉じこ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
」 課長は余程口惜しいものと見えて、帆村の前も構わず、子供のような泪をポロポロ
滾した。 「そうですか」帆村も泪を誘われそうになった。「じゃ貴方も深山理学士は大....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
「それはゴールデン・バットについてなのだ。君はあすこの床の上に、バットがバラバラ
滾れているのに気がつかなかったかい」 「そういえば、五六本、転がっているようだネ....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
ギロリと光らせた。「仙太のやつ、ここで強奪に遭ったのじゃないか。だから金貨が道に
滾れている……」 「強奪に遭ったのなら、なぜ金貨が
滾れ残っているのだ。それにわれ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
に人の寝ていた形跡があるが、ポントスは見えない。尚もよく調べると、床の上に人血の
滾れたのを拭いた跡が二三ヶ所ある。外にもう一つ可笑しいことは、室内にはポータブル....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
。どうやら彼は妾の胸の中にある全てのプログラムを知らぬ様だった。妾の全身は、急に
滾々と精力の泉が湧きだしてきたように思えて肩の凝りも半分ぐらいははやどこかへ吹き....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
いよ」 彼は、そういうと、唇をかんだ。頬を、止め度もなく、熱い涙がほろほろと、
滾れ落ちた。 4 仏天青は、アンと抱きあっていた。 それから暫くし....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
服装をしている瘠せ型の青年だった。 丈太郎は伯父の死体を見ると、ハラハラと泪を
滾した。そして後をふりかえって係官の前にツカツカと進むより、ヒステリックな声で喚....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
のうしろに隠れてしまった。血、血だ! 見れば畳の上にも、ポツンと赤い血の滴りが
滾れているではないか。杜はドキンとした。 「おい、ミチミ待て――」 ミチミはそ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
」 「ほほう、それは愉快ですね」 と帆村もようやく膝をのりだした。 「全く涙の
滾れるほど嬉しいことです。私たちは、その暗号の鍵が、やはり無電にのってくるのかと....