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「漁り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漁りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
もこぼさず、嘴で銜えたり、尾で跳ねたり、横顔で覗いたり、かくして、裏おもて、虫を漁りつつ、滑稽けてはずんで、ストンと落ちるかとすると、羽をひらひらと宙へ踊って、....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
が、やがて書架の前へ歩み寄ると、鼻先を馬のように蠢かしながら、なにか盛んに書物を漁り始めた。私は、ふと自分達の乗って来た馬のことを思い出した。この邸へ来た時に日....
食魔」より 著者:岡本かの子
会が始り出すと、彼はほとんど毎日家に居なかった。京都の市中や近郊で催されるそれを漁り尋ね見物して来るのだった。「今日の××小学校の遊戯はよく手が揃った」とか、「....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ズボンのポケットへ突込んだ両手で上着をぐっとこね上げ、粗暴で悠々した態度で、街を漁り進んだ。 歩き方が乱調子になって来た青年の姿を見失うまいとして、かの女は嫌....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いました。もうこうなっては此処にとどまることは出来ません。あなたはこの後も耕し、漁りの業をして、世を渡るようになさるがよろしい。この法螺貝を残して行きますから、....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
壁には、夏候一|疋の蚊もなしと誇るまでに、蝦蟇の多き処なるが、乞食僧は巧にこれを漁りて引裂き啖うに、約ね一夕十数疋を以て足れりとせり。 されば乞食僧は、昼間|....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ばらだから、直ぐ汐入の土手が目先にちらついて、気は逸るが、亭主が危い。……古本|漁りに留守の様子は知ってるけれど、鉄壺眼が光っては、と跼むわ、首を伸ばすわで、幸....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
常」、池の端の「バイブル」、駒形の「小林文七」「鳥吉」などから頻りに西鶴の古本を漁り集めた。(この「鳥吉」は、芝居の本を多く扱っていたが、関根只誠氏がどういう都....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
ていたのでしょう、その男のいうままに、ブリキの空罐を肩に掛けていっしょにごみ箱を漁りました。ちょうど満洲事変が起った年で、世の中の不景気は底をついて、東京では法....
村芝居」より 著者:井上紅梅
やり見え出して、歌声もどうやら聞えて来た。幾つかの火は舞台の明りか、それともまた漁りの火か。 あの声はたぶん横笛だろう。宛転悠揚としてわたしの心を押し沈め、我....
作画について」より 著者:上村松園
などをもくぐって来、それに附加して博物館とか神社仏閣の宝物什器、市井の古画屏風を漁り、それぞれの美点と思われるところを摂取して、今日の私流の絵が出来上ったという....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
で、とても硯友社の読者の靴の紐を結ぶにも足りなかったが、其磧以後の小説を一と通り漁り尽した私は硯友社諸君の器用な文才には敬服しても造詣の底は見え透いた気がして円....
活人形」より 著者:泉鏡花
るほどに得三は高田とともに家内に入り、下枝は居らずや見えざるかと、あらゆる部屋を漁り来て、北の台の座敷牢を念のため開き見れば、射込む洋燈の光の下に白く蠢くものの....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
そういう状態で彼は友に招かれたり、また伴れに誘われたりして備後から播州の寺々を漁り歩いた。彼は体力が強いので、疲れた伴れの三人分の荷物を一人で引受けたりした。....
耳香水」より 著者:大倉燁子
入する人達をちょっと調べてみましたところが、お客の中には前科者や、容疑者達の恋を漁りに来ている者が大分あったのには驚かされました。昨年処刑されたという男もいまし....