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漁夫
「漁夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漁夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
を診察にきました。また三日に一度ぐらいは僕の最初に見かけた河童、――バッグという
漁夫《りょうし》も尋ねてきました。河童は我々人間が河童のことを知っているよりもは....
「少年」より 著者:芥川竜之介
もやはり衣裳だけは一面に赤い色を塗ることにした。浦島太郎は考えずとも好《い》い、
漁夫の着物は濃い藍色《あいいろ》、腰蓑《こしみの》は薄い黄色《きいろ》である。た....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
、おおかたこの海に多い鴎《かもめ》であろう。と思うとまた、向こうに日を浴びている
漁夫の翁《おきな》も、あいかわらず網をつくろうのに余念がない。こういう風景をなが....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
がないのは知れ切っていました。私はそれが恐ろしかったのです。何しろ早く岸について
漁夫《りょうし》にでも助けに行ってもらう外《ほか》はないと思いました。今から思う....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ります。
われわれのよく知っているとおり、二千年ほど前にユダヤのごくつまらない
漁夫や、あるいはまことに世の中に知られない人々が、『新約聖書』という僅かな書物を....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
昨日スケッチ帳ヲ三冊送リマシタ。イツカあなたニ絵ヲ見テモライマシテカラ故郷デ貧乏
漁夫デアル私ハ、毎日忙シイ仕事ト激シイ労働ニ追ワレテイルノデ、ツイコトシマデ絵ヲ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
て、いつでも私に深い感銘を与えるものは、基督の短い地上生活とその死である。無学な
漁夫と税吏と娼婦とに囲繞された、人眼に遠いその三十三年の生涯にあって、彼は比類な....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
しッ、しッ、しッ。 曳声を揚げて……こっちは陽気だ。手頃な丸太棒を差荷いに、
漁夫の、半裸体の、がッしりした壮佼が二人、真中に一尾の大魚を釣るして来た。魚頭を....
「怪塔王」より 著者:海野十三
いって山をのぼって見ようとおもいました。 ひょっとすると、山の向こうに、なにか
漁夫の家でもありはしないかと、そんなことを考えついたからです。 小浜兵曹長は、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
十度転じて、夜明までに元の位置にかえることになっていた。 おそらく近海の寝坊の
漁夫は、試運転からかえって前夜と同じ場所にやすんでいる飛行島を見て、それがシンガ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
――馬だ――馬だ――馬だ―― 遠く叫んだ、声が響いて、小さな船は舳を煽り、
漁夫は手を挙げた。 その泳いだ形容は、読者の想像に任せよう。 巳の時の夫人に....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
の北の天なる、雪の山の頂に響いて、その間々に、 「これは三保の松原に、伯良と申す
漁夫にて候。万里の好山に雲|忽ちに起り、一楼の明月に雨始めて晴れたり……」 と....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
かそるかの瀬戸際だ 鰊の漁を待ち構えてる 或る時はガッチャキ薬の行商人 今鰊場の
漁夫で働く 今年こそ鰊の漁もあれかしと 見渡す沖に白鴎飛ぶ 東京の話で今日も暮れ....
「迷信解」より 著者:井上円了
世間に実事として伝えらるるようになる。今一例を挙ぐれば、「九州のある地方に一人の
漁夫、夜中川岸に座して鮎を釣りいたり。その辺り、かねてより狐のすみおるとの評判あ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
既にいわゆる民主主義陣営と枢軸陣営の二大分野に分れ、ソ連は巧みにその中間を動いて
漁夫の利を占めんとしつつあるが、果してしからばその将来は如何に成り行くであろうか....