漁期[語句情報] »
漁期
「漁期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漁期の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
くのを見守っていてくれるだろう。私はそれをたよってさらに書き続けて行く。 鰊の
漁期――それは北方に住む人の胸にのみしみじみと感ぜられるなつかしい季節の一つだ。....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
の月日が流れている。 根室の港には、やがてまた押し迫って来る結氷期を前にして、
漁期末の慌しさが訪れていた。 「どかんと一発撃てば、それでもう、三十円丸儲けさ」....
「わが町」より 著者:織田作之助
るが、沈船作業は主として春から夏の頃の凪ぎの海に限られており、水産物採集には勿論
漁期がある。だから陸上工場のように絶えず仕事が一定しているわけではなく、その間生....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
集めて、団結することを教えてくれているようなものだった。 監督は周章て出した。
漁期の過ぎてゆくその毎年の割に比べて、蟹の高はハッキリ減っていた。他の船の様子を....
「あの顔」より 著者:林不忘
るしくない離家《はなれ》が、お久美の居室ときめられて、あらゆる歓待が用意された。
漁期でないので、家にも、村にも、浜にも、微風と日光と静寂のほかは、何もなかった。....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
一時間早く、近海へ漁にでる棒受け網が出陣する。 烏賊虎さんは棒受け網の小頭で、
漁期は連日朝の二時にでゝ、夜の十時に帰る。家でねむることはない。黙って家へ戻って....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
その支流日原川と、秋川とである。だが、東京に近いだけに交通の便がよく、約二、三年
漁期に入ると一竿を肩にした人々が、我れも我れもと押しかけるので、既に早春のうちに....
「鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
あるから、一網曳くと五、六百匁から二貫目近い大鯛が五、六百貫も入ることがある。一
漁期に五千貫乃至一万貫もの漁があって、網漁師は福々だが、これを見て一本鈎の鯛釣り....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
ってくる季節は、間もないことであろう。 二 私の少年の頃には、鮎釣りに禁
漁期というものがなかった。それは、私がよほど大きくなるまで、そのままであった。 ....