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「漂白〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漂白の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
家霊」より 著者:岡本かの子
この室内に向けて昼も剥き出しのシャンデリアが煌々《こうこう》と照らしている。その漂白性の光はこの座敷を洞窟のように見せる許《ばか》りでなく、光は客が箸《はし》で....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
きむしるように外すと、髯男の方へ、片手を伸ばした。どうやら、髯男が、持ち合わせの漂白粉と活性炭素を利用して、応急のマスクを作ってやったのが、もう利かなくなったら....
碧玉の環飾」より 著者:田中貢太郎
土地という処へ遊びに往った。遊びに往ったといっても、それは物見遊山のためでなく、漂白して往ったもののように思われる。ところで、この魏土地に女主人で袁を姓とする豪....
西湖主」より 著者:田中貢太郎
て死んでいないことを知った。しかし家からは音信することができないので、終に他郷に漂白して帰ることができないだろうと心配していたが、それから半年ばかりして陳が不意....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
、三、四人ずつ、雪に遭《あ》った羊のようにかたまって、霧の中から出て霧へ消えた。漂白したような蒼い顔とよろめく跫音《あしおと》だった。彼女らは、街上に会う人ごと....
探偵小説の真使命」より 著者:夢野久作
近代芸術にまで進化した。それが更に進んで、その肉体を切開き、臓腑を引出し、骸骨を漂白し、血液から糞尿まで分析して、その怪奇美、醜悪美に戦慄しようとするところにこ....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
。下水の親方の隅田川に並んでいるのは糞船ばっかりだろう。那珂川の白砂では博多織を漂白すんだぞ畜生……。 芸妓を露払いにする神田のお祭りが何だ。博多の山笠舁きは....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
た跣足で、腰に魚籠を括り付けていた。 その頃の那珂川の水は透明清冽で博多織糸の漂白場であったが、ずっと上流まで博多湾から汐がさして、葦原と白砂の洲が到る処に帯....
空襲警報」より 著者:海野十三
驚いた。 「……当分生水はお飲みにならぬようにねがいます。さしあたり、井戸の中へ漂白粉を一キログラムほどお入れ下さい。……それから既に生水をお飲みになった方は、....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
この「のし込み」というのは云わば精進《しょうじん》のシチューで、原料たる小麦粉が漂白したメリケン粉と違い、日本小麦の持つ原始的の味わいと営養価は、こういう種類の....
白痴」より 著者:坂口安吾
力、夢の中にまで二百円に首をしめられ、うなされ、まだ二十七の青春のあらゆる情熱が漂白されて、現実にすでに暗黒の曠野の上を茫々と歩くだけではないか。 伊沢は女が....
白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
理している。そのほかどっちを見ても、荒地は全く人気というものがなく、ただわずかに漂白のジプシーが二三いるくらいのものだ。これが日曜の晩に事件が起るまでの大体の状....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
れた霊魂は、もう一度、瑞穂《みずほ》の国、大八洲にすわりこむか、その黄色い皮膚を漂白するか、それとも、惰性の波に消えるか。結論はない。すべてが奇蹟とも見え、かつ....
」より 著者:岡本かの子
色のうららかな春の日の中に両岸の桜は、貝殻細工のように、公園の両側に掻き付いて、漂白の白さで咲いている。今戸橋の橋梁の下を通して「隅田川十大橋」中の二つ三つが下....
歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
一々やっていられるものではない。たとえば一つの骨格を作る時には、薬液に浸したり、漂白したり、それをつなぎ合わせて一つ一つの骨をとめたりするようなことは、暇のある....