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漏
「漏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
る御口元にちらりと御浮べになりながら、一言二言《ひとことふたこと》鋭い御批判を御
漏《おも》らしになるばかりでございます。
いつぞや大殿様が、二条大宮の百鬼夜行....
「河童」より 著者:芥川竜之介
するのに少しも手数のかからないことです。なにしろこの国では本を造るのにただ機械の
漏斗形《じょうごがた》の口へ紙とインクと灰色をした粉末とを入れるだけなのですから....
「路上」より 著者:芥川竜之介
口から両側の石段へ、しっきりなく溢《あふ》れ出していた。俊助は苦笑《くしょう》を
漏《もら》したまま、大井の言葉には答えないで、ずんずんその石段の一つを下りて行っ....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
う云う破邪顕正《はじゃけんしょう》を標榜《ひょうぼう》する書物の性質上、故意の脱
漏《だつろう》を利としたからでもあろうか。
予は以下にこの異本第三段を紹介して....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
手は腹を立てた気色《けしき》もなく、反《かえ》って薄気昧が悪いほど、優しい微笑を
漏《も》らしながら、
「そりゃどっちでも好いさ。どっちでも好いが、その人へ渡す品....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》の会社員と変りのない生活を営《いとな》んでいる。しかし彼等の生活も運命の支配に
漏《も》れる訣《わけ》には行《ゆ》かない。運命はある真昼の午後、この平々凡々たる....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
にょ》が二人テエブルを中に話している。不思議な光の落ちたテエブルの上には試験管や
漏斗《じょうご》や吹皮《ふいご》など。そこへ彼等よりも背の高い、紅毛人の男の人形....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
」
仁右衛門は黒い地平線をすかして見ながら、耳に手を置き添えて笠井の言葉を聞き
漏らすまいとした。それほど寒い風は激しい音で募っていた。笠井はくどくどとそこに行....
「星座」より 著者:有島武郎
が……」
清逸の心の裏をかくとでもいうような言葉がしばらくしてからまた園の唇を
漏《も》れた。清逸はかすかに苦しい顔をせずにはいられなかった。
二時間目の授業....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
限りに連なった地平線の低い葦原を一面におおうた霙雲のすきまから午後の日がかすかに
漏れて、それが、草の中からたった二本ひょろひょろとまとまった気分が行き渡っていた....
「親子」より 著者:有島武郎
出口はしなかった。いささかでも監督に対する父の理解を補おうとする言葉が彼の口から
漏れると、父は彼に向かって悪意をさえ持ちかねないけんまくを示したからだ。彼は単に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
柔かい春の空気を快く吸い入れた。やがてポルタ・カプチイニの方にかすかな東明の光が
漏れたと思うと、救世主のエルサレム入城を記念する寺の鐘が一時に鳴り出した。快活な....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
畜生。 ヤコフ・イリイッチはイフヒムの言った事を繰返して居るのか、己れの感慨を
漏らすのか解らぬ程、熱烈な調子になって居た。 畜生。其奴を野郎見付ければひったく....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
申しませんでしたが、それでも女は矢張り女、小蔭へまわってそっと泪を拭いて長太息を
漏らしているのでございました。 『いつまでも老いたる両親に苦労をかけて、自分は何....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ないか。 われ等の態度は、全然これと選を異にする。われ等は、バイブルが人間界に
漏らされたる、啓示の集録であることを認め、之を尊重することを知っているが、しかし....