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演舌
「演舌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
演舌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
「おれには、そう舌は廻らない。君は能弁だ。第一単語を大変たくさん知ってる。それで
演舌《えんぜつ》が出来ないのは不思議だ」 「なにこれは喧嘩《けんか》のときに使お....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ぐ》だと悟ったから、近頃では宿命論者の立脚地から人と交際をしている。ただ困るのは
演舌《えんぜつ》と文章である。あいつは骨を折って準備をしないと失敗する。その代り....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
な撫で方であった。
それから約七分くらいすると注文通り寒月君が来る。今日は晩に
演舌《えんぜつ》をするというので例になく立派なフロックを着て、洗濯し立ての白襟《....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
誠に僥倖当り炭。俵の縁語に評さえ宜を。例の若林先生が。火鉢にあらぬ得意の速記に。
演舌るが儘を書取られしが。写るに速きは消炭も。三|舎を避る出来栄に、忽ち一部の册....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
然し載せては『ホトトギス』の資格に害を与うるとは無論思い不申候。昨日青年会館にて
演舌、今日これを通読。問題が大に似たる処有之興味を感じ申候。以上。 二月十....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
は尠《すくな》くはあるまい。同じ露店の大道商人となるとも自分は髭を生し洋服を着て
演舌口調に医学の説明でいかさまの薬を売ろうよりむしろ黙して裏町の縁日《えんにち》....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、そこに立つと、吉岡門下の四十名ばかりの者を、例の高慢な態度で見くだして、なにか
演舌しているらしいのである。
「…………」
植田良平以下、御池十郎左衛門だの太....
「三国志」より 著者:吉川英治
は好し――と、 「諸卿!」 彼は、卓から起って、一場の挨拶を試みた。 初めの
演舌は、至極、主人側としてのお座なりなものであったから、人々はみな一斉に酒盞をあ....
「三国志」より 著者:吉川英治
は、叔父に代って、 「諸君、こういうわけだ」と、樊稠の罪を、席上の将士へ、大声で
演舌した。 最後に、李※はまた、張済の肩をたたいて、 「今も甥がいったようなわ....
「三国志」より 著者:吉川英治
とである。そのほか、わが将士の力戦をふかく感謝する」 と、呂布はその席で、こう
演舌して、一斉に、勝鬨をあわせ、また、杯をあげた。 祝賀のあとでは、当然恩賞が....
「三国志」より 著者:吉川英治
うべきか」 と、功を天子の威徳に帰しながら、暗に自己の大なることを自分の口から
演舌した。 それのみか、曹操は、忘れたように、帝の彫弓金※箭を手挟んだまま、天....
「三国志」より 著者:吉川英治
となす。民乱を思わず、武士は勁勇、むかうところ敵なしです」 「…………」 彼の
演舌を聞くのは初めての人々もあったらしく、多くは、その爽やかな弁と明白な理論に、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぞ。――その上にもいて、賄賂取りの大曲者はそも誰と思うか。聞けよ皆の者」 彼の
演舌は、若雑輩のみが目標ではなさそうな眸だった。 「それなん鎌倉の執権高時の内管....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ことを。 後日には、高氏も名を知ったが、あの淀川舟で、乗合いのちんぴらたる弁で
演舌したなどの行為は、まことに公卿にも似合わしからぬ態だったが、その人こそ、今日....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ってないようなのだ。――そこで彼らは、この機とばかり、まわりに見える弥次馬へも、
演舌するような口調で、足利若御料の周囲を漫罵したあげくに、 「不服か」 と、相....