潮が引く[語句情報] » 潮が引く

「潮が引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

潮が引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
丹下左膳」より 著者:林不忘
た煮え湯の味が、いま貴様にわかったか」 かさなる意外な出来ごとに、長屋の連中は潮が引くように、外の路地へしりぞいて、土間に静かに立っているのは、田丸主水正ただ....
反抗」より 著者:豊島与志雄
ぐに缶からなみなみと注いだ。その盛り上った水面に、明るい障子が小さく映っていて、潮が引くように徐々と中低くなっていった。 噴霧筒の水滴を受くる下のコップが一杯....
別れの辞」より 著者:豊島与志雄
で、長尾の肩に顔を伏せた。 二人の芸者は眼を見張っていた。 そしてそのまま、潮が引くように、その場は納ったのであるが、そうした情景の底に、捉え難い不安が濃く....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ものである。知力は一つの小島であって、人類の潮に噛《か》まれ削られ包み込まれる。潮が引くときにしかふたたび現われはしない。――一七八九年八月四日の夜に自分の権利....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
は、掛川へ行けないのであったが、そうはいえなかった。黙っていると、若松屋惣七は、潮が引くように白い顔になっていった。 「お前も、磯五のことが気になって、江戸を離....
あの世の入口」より 著者:知里真志保
カ所にある。そのうち東静内にあるものは岸近くの海中にある岩礁についている横穴で、潮が引くとその入口が現われるが、ふだんは海の下になっていて、わずかにその上に白波....