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「潰す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

潰すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
をした。そのほか五、六軒の分家へも皆それぞれの分配をした。 「これでいい。あとは潰すともどうとも勝手にしろ」 父は財産全部を忰の前に投げ出して、自分は思い切り....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
。でも少し憔悴《やつ》れていて、顔に陰影のあり過ぎることと、貴方にあった――抱き潰すような力強さには欠けております。しかし、私の執念《しぶとさ》は、その詮《せん....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来ねえ。勿論おまえさんの一料簡で出て来たのだろうが、そんな事をするのは三甚の男を潰すようなものだ。娘の可愛い男に恥を掻かせちゃあいけねえ。第一、三甚にも相当の子....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
飛行中なり。以上。川口町防空隊長、網島少尉」 司令官は、紙片を、掌のうちに握り潰すとポイと屑籠の中に、投げ入れた。 「閣下」参謀長が、やや気色ばんで、問いかけ....
地球盗難」より 著者:海野十三
だして、声をそろえて歌ってゆく。しかしこのとき武夫もお美代も、行手にあたって胆を潰すような怪異が彼等を待っていようなどとは、夢にも知らなかったのである。 櫟林....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のだ。だから、むしろ直接死因には、咽輪の方に意味がありそうじゃないか。無論気管を潰すというほどじゃないが、相当頸部の大血管は圧迫されている。すると、易介がなぜ悲....
春昼」より 著者:泉鏡花
に描き出された。 勿論、描いた人物を判然と浮出させようとして、この彩色で地を塗潰すのは、画の手段に取って、是か、非か、巧か、拙か、それは菜の花の預り知る処でな....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
と、金博士は只一人なかなか機嫌がよろしく見えた。 大統領は、眼鏡を掌の中に握り潰すと、居ても立ってもいられないという顔付で、 「こら、航空隊出動せよ。爆撃をや....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
て決して愉快なことではなかったし、一方僕は前にも述べたように、この艇内に青春を鋳潰すと決ったことの悒鬱さで、機嫌はよくなかったので、魚戸と喋ることは僕の方からも....
南地心中」より 著者:泉鏡花
しい、苦い、尖った顔をして、じろりと多一を睨みつけた。 (何しとる、うむ、)と押潰すように云います。 (それでは、番頭さんに、その通り申聞けますでございます、)....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
も、は、お前様に気を着けて、蚤にもささせるなという、おっしゃりつけだアもの。眼を潰すなんてあてごともない。飛んだことをいわっしゃる。それにしてもお前様眼が見えね....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
「おのれ!」 と横薙、刃が抜けると、そのもの、長髪をざっと捌く。驚破天窓から押潰すよと、思うに肖ず、二丈ばかりの仙人先生、ぐしゃと挫げて、ぴしゃりとのめずる。....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
の士族の出であるものを。 「――事実を言おう、口惜いが、目が光ったんだ。鏨で突き潰すと、銅像の目が大きく開いて光ったんだ。……女は驚いて落ちこんだ。」 多津吉....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
櫓(綾瀬太夫)、堀川(播磨太夫)を上演した時などは、太夫を聴くだけでも一日の暇を潰す価値があるというので、毎日満員の大入りであった。妹背山の両|床で、大判司の人....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の化身などとはもっての外のことで 私は悪魔の化身と思って居る。いつも仏法を喰い潰す悪魔はかえってああいう袈裟を掛けて頭を剃り、殊勝らしくお経や念仏を唱えて居る....