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澄徹
「澄徹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
澄徹の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
その強い日の光が毛孔《けあな》から総身《そうしん》に浸込《しみこ》むように空気が
澄徹《ちょうてつ》していた。相変らず樹《き》のない山で、山の上には日があるばかり....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
かも三分の白色を失って、三分の氷藍色を加え、透明の微小結晶を作って、空気の海に、
澄徹に沈んでいる、群山の中で、コバルト色の山が、空と一つに融ければとて、雪の一角....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
っている、仰ぐと、西の天は雲が三万尺も高く、堆くなって、その隙間には湖水のように
澄徹した碧空が、一筋横に入っている、中農鳥とおぼしき一峰を超えると、また一峰があ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
、おわりにはひとり群をはなれて人陰でないていた。 純粋|無垢な鏡のごとき青年、
澄徹清水のごとき学生! それは神武以来任侠の熱血をもって名ある関東男児のとうとき....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
料理を食べながら麦酒を飲んでいると、「籠っている」感じで気持が好い。ことに段々と
澄徹の境を離れるところにいかにも安気があった。 一夜明けて、写真機を持って出掛....
「蠱惑」より 著者:豊島与志雄
そして次の瞬間にそれらは一斉に息を潜めて私の心の中に静まり返った。私は自分の心の
澄徹した緊張に力を得た。それでじろりと室の中を見廻してやった。 果して彼が居た....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
生涯逆境の人であった。しかしまた、逆境が彼の剣と心業とを不断に磨いて円明二|天の
澄徹した境地を大成させたともいえると思う。 碑前を去って、私たちが自動車へ戻り....