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激怒
「激怒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
激怒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
底のない悒鬱《ゆううつ》がともするとはげしく葉子を襲うようになった。いわれのない
激怒がつまらない事にもふと頭をもたげて、葉子はそれを押ししずめる事ができなくなっ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
隙に、脇差を抜くより早く飛びかかった。 「おのれ、手向いするか!」と、三郎兵衛は
激怒した。市九郎は無言で付け入った。主人の三尺に近い太刀と、市九郎の短い脇差とが....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
眼になって尋ね歩いた過去の生活が、悪夢のように思い出される。父親を打たれたときの
激怒、復讐を誓ったときの悲壮な決心、それが今でもまざまざと思い出されるが、もう実....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
てりゃいいんだ。不具者のくせに、出しゃばるなよ。(激しくこづき回す) 甚兵衛 (
激怒し)おっ母と兄弟三人とで共謀しやがって、長男のわしの物をみんな取っているのだ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
りき、久能山上の事あらんとは。我は偏に、君の家厳の、左右一顧の余裕のない、一時の
激怒を惜むとともに、清冽一塵の交るを許さぬ、峻厳なるその主義に深大なる敬意を表す....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
展した事情に於て××××……それを母の本能が怒ったのだ、何物の汚涜も許さぬ母性の
激怒が、かの女を規矩男から叱駆したのだ。 四五年の日月が経過した。 むす子の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ろをダンネベルグ夫人に認められたので、それが、算哲の死後秘密の関係にあった夫人を
激怒させたのでした。しかし、一方持分相続に関する禁制があるので、さすがに夫人も、....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
顔を幾度もこすりました。私は父の悲憤を眼にしますと、再び胸のうちが湧き返るような
激怒を感じました。 「俺は、諦めるが、お信はどう思うだろう」と云いました。そう云....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
撃をやれ、雷撃もやれ。早くせんか」 と呶鳴りたてた。 さあたいへん。大統領の
激怒である。ぐずぐずしていては、後の祟りの程もおそろしと、旗艦マサチュセッツから....
「火薬船」より 著者:海野十三
おけない。かえってきたら、おしいやつだが、ぶったぎってしまう」 虎船長はついに
激怒してしまった。 その当人、竹見太郎八は、悠々とノーマ号の甲板をぶらぶらと歩....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
た性格の女となって世にあらゆる害毒を流すのであった。その中ある医者から、あなたは
激怒した場合に、必らず死ぬということをいわれた。彼女はこの事が気にかかって、或る....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
いう時でも、主人はあく迄英国の由緒ある旧家の主人としての体面上、人前であわてたり
激怒の色を見せはしなかった。 そういう事があったにしろ頻繁な主人の招待、被招待....
「山吹」より 著者:泉鏡花
)そこだそこだ、その事だ。 画家 ははは、痛快ですな。しかし穏でない。 夫人 (
激怒したるが、忘れたように微笑む)穏でありませんか。 画家 まず。……そこで。 ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
る一支隊とともにただちに乗船し、スペイン海岸目指して帆をあげ去った。エリザベスは
激怒した。次から次へとひっきりなしにプリムスへ飛脚をたて、伝馬船隊をして海峡中を....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
を浮べるのです。心はほんとにやさしい人なのですが、何かひどいショックを受けたり、
激怒したりすると発作を起してしまうのです。何という可哀想な情けない病気を持ってい....