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激昂
「激昂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
激昂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
て、私の妻の貞操《ていそう》をさえ疑いつつあるのでございます。――
私は感情の
激昂《げっこう》に駆られて、思わず筆を岐路《きろ》に入れたようでございます。
....
「或る女」より 著者:有島武郎
いた。その鋭い小さな目は依然として葉子を見守っていた。葉子は震えを覚えるばかりに
激昂《げきこう》した神経を両手に集めて、その両手を握り合わせて膝《ひざ》の上のハ....
「或る女」より 著者:有島武郎
と思うような事をおどおどしながらまじめに考えていた。
その時階下で倉地のひどく
激昂《げきこう》した声が聞こえた。葉子ははっとして長い悪夢からでもさめたようにわ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のみと考えられたのである。ガリレオ及び他のコペルニクス説の信奉者等に対して教会を
激昂させたものもやはり疑いもなく主として正にこの説のこの帰結であったのである。そ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
かれないと執念深く立腹する。今おとよの挨拶ぶりが、不承知らしいので内心もう非常に
激昂した。ことに省作の事があるから一層|怒ったらしく顔色を変えて、おとよをねめつ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ここへ来て『市長の鍵』がないじゃ、どうにも納りがつかないじゃありませんか」 と
激昂の助役の声に、二人の話はハタと杜絶えてしまった。このT市の首脳部の両人が、蒼....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
した。兇行の目的は、協議妨害にあることは明かであります。以上。 次は居留邦人の
激昂のお話。 この報至るや、居留邦人は非常に激昴しまして、其の場に於て、決死団....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ではなさそうであった。 「貴様のいうことは出鱈目《でたらめ》だ」 目賀野は再び
激昂《げきこう》に顔を赭《あか》くし始めた。 「待って下さい。博士の仕掛は、この....
「海底都市」より 著者:海野十三
《そば》にいて僕の手首をしっかり握っているオンドリにいった。 「あのとおり同胞は
激昂《げきこう》しているんだ。尋常《じんじょう》のことではおさまらないだろう。同....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
「ニセ物? この画が……。うそも休み休み云って貰おう。これは本物だ」 烏啼は
激昂して叫んだ。 「ところが、お気の毒さまにも、これはニセ物なんだ。君を見倣って....
「転機」より 著者:伊藤野枝
あるでしょうけれど、あんまりですね。」 その家屋破壊の強制執行は、更に残留民の
激昂を煽った。 「そのやり方もずいぶんひどいんですよ。本当ならばまず毀す前に、み....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
なる手段にても到底この老夫をして我に忠ならしむることのあたわざるをお通は断じつ。
激昂の反動は太く渠をして落胆せしめて、お通は張もなく崩折れつつ、といきをつきて、....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ものというの外なけれども、勝氏は決してかかる迂濶の人物にあらず。思うに当時|人心
激昂の際、敵軍を城下に引受けながら一戦にも及ばず、徳川三百年の政府を穏に解散せん....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
と、とんと当り、颯と分れて、月下にただぐるりぐるりと廻った。 「汝、業畜生、」と
激昂の余り三度目の声は皺嗄れて、滅多打に振被った、小手の下へ、恐気もなく玉の顔、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
として北京に傲睨していた大元気から小説家二葉亭が学堂提調に任ぜられたと聞いて太く
激昂し、虎髯逆立って川島公館に怒鳴り込んだ。「小説家を提調にしてどうする」と※声....