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濁り酒
「濁り酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濁り酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
麦屋の出前持になるのもあり、現在私がその小父者などは、田舎の役場に小使いをして、
濁り酒のかすに酔って、田圃の畝に寝たもんです。…… その妹だね、可いかい、私の....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
鼻穴に、すがすがしい秋の果実店からあんなに芳烈な匂いがする。――一九二八・九――
濁り酒 十月×日 焼栗の声がなつかしい頃になった。 廓を流して行く焼栗のに....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
へ縛りつけて置いて、その夜工事場の人員全部が集まって、大鍋でたぬき汁をこしらえ、
濁り酒で腹鼓をうった。 こんな次第で、文明開化の今日でも、榛名山麓へは、狸が時....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ありがたい」 こういう場合、人間の胃は、他の所有権を考えている遑はない。徳利の
濁り酒をのみ、鍋を空にして、又八は、 「ああ、腹が満った」 ごろんと手枕になる....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
私たちには意味が深い。東北では二月のコト八日の次の日をヤサラと称して、八つの皿に
濁り酒をついで祝い事をする風がある。この日を作始めという例は信濃にも石見にもある....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
じだ。たらふく詰め込んどいた方がいいぞ」 二人は馬道の馬子茶屋へはいっていた。
濁り酒が名物だった。肴や汁をとりちらして、大亀は、市十郎へ、やたらにすすめた。 ....