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「濃厚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濃厚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
た。それと共に、頭の中の大井の姿は、いよいよその振っている手巾《ハンケチ》から、濃厚に若い女性の※《におい》を放散せずにはすまさなかった。 「そりゃ盛《さかん》....
片信」より 著者:有島武郎
る。人はあるいはいうかもしれない。その気勢とても多少の程度における私生児らがより濃厚な支配階級の血を交えた私生児に対する反抗の気勢にすぎないのだと。それはおそら....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
〔Urban Hja:rne〕 一七一二年)であった。この後者の説では地心の水は濃厚で濁っていて、しかして沸騰するほど熱いということになっている。 デカルトの....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ます。中南米の民族的関係もあり、合衆国よりもむしろヨーロッパ方面と経済上の関係が濃厚な南米の諸国に於ては、合衆国を中心とする米州の連合に反対する運動は相当強いの....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
ごとき世界的歴史的動向を示すものである。かくして政治はますます道義的宗教的色彩を濃厚にし、氣魄ある人々の奉仕によつて行わるべきものとなりつつある。 私は日蓮聖....
階段」より 著者:海野十三
てはみたが誰一人その時刻に階段を降りたというものはなかった。僕は自分にかけられた濃厚な嫌疑に立腹し、どうにかして犯人をつきとめてやりたいものと思い、自分だけでは....
火星探険」より 著者:海野十三
よう。 巨大な斜塔 あぶないところで、四少年は生命をとりとめた。あのまま濃厚なR瓦斯《ガス》の中に二三時間放っておかれたら、死んでしまったことであろう。....
火葬国風景」より 著者:海野十三
合ったというので、二人の少年はすぐ仲善しになってしまった。この仲善しは、年と共に濃厚になり、軈て大学を卒業すると二人はこれまでのように毎日会えなくなるだろうとい....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
。 次に天女の舞のようなダンスがあつた。これは感じからいうとどうもイタリヤ色が濃厚だつたように思う。美女が身に纏うた大風呂敷のようなものをうち振りうち振り、あ....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
らに流出し国境の外へひろがつて行く。しかしいかに優れた芸術でもあまりにも民族性が濃厚で国際性に乏しい場合は他邦で理解せられず、したがつて国境を越えない場合がある....
映画の普及力とは」より 著者:伊丹万作
ているようだ。ラジオでその観念はかなり破壊せられたが、このうえさらに映画のような濃厚な娯楽が家庭の静かな時間を攪拌しはじめたら、そのときこそは我々が従来の家庭と....
」より 著者:犬田卯
うち例の五名までが瘤の門下生であり、吏員の半数以上がかつて瘤のお伴でF町の料亭で濃厚な情調――多分――を味わった経験の持主と来ている上に、村の長老株もまた同穴の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
らかに船静かなり。 十八日、曇り。海霧あり、船徐行す。午後一時に至り、ますます濃厚を加えたるために船をとめ、五分ごとに汽笛を吹く。夕六時に至り濃霧ようやく晴れ....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
はだ政治的道徳をわきまえざるものといわなければなりません。さらに、選挙違反の疑い濃厚な者が一国の外務大臣となり、一国の総理大臣が懲罰委員会にかけられておるという....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
を中心としてその関係を観察する事とする。 古代は国民皆兵であり、決戦戦争の色彩濃厚であったが、ローマの全盛頃から傭兵に堕落し遂に中世の暗黒時代となった。この時....