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「濃度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濃度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
はついに実現されたわけであるが、妙なことにこの遂げられた希望の満足に関する記憶の濃度のほうが、かの失敗した試みに伴のうた強烈なる法悦の記憶に比べてかえって希薄で....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ッ。久しぶりで立ちん坊だ。むだ口きくなよ」 がぜん、十兵衛に対する疑雲が数倍の濃度を増してまいりましたので、それと感づかれないようにあっさり引き揚げると、そこ....
生きている腸」より 著者:海野十三
がすすむにつれ、リンゲル氏液の温度はすこしずつのぼり、それからまたリンゲル氏液の濃度はすこしずつ減少していった。 実験第四日目においては、腸《はらわた》を収容....
殺人の涯」より 著者:海野十三
は、実は女房の屍体が溶けこんでいるのだ。或る三つの薬品を、或る割合に配合し、或る濃度に薄めて、或る温度に保って置くと、一番人間の身体が溶けやすくなる。これは多年....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
驚くべき精密さをもって恒同に保たれている。ちょっと労働でもして血液中の水素イオン濃度がわずかに一億分一だけ増すとすぐ呼吸が忙しくなって血液中の炭酸ガスを洗滌させ....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
いかという空想が起こった。こういう生物群体の表面に沿うて何かの原因で温度あるいは濃度差による対流の起こることは可能であり、それがあるとすればその対流の結果は生物....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
ほうは断念して、園芸好きのR研究所の門衛U君に教わって理研製殺虫剤ネオトンのやや濃度の大きい溶液で目的を達せられることを知った。園芸書の著者になってみると、何々....
映画と生理」より 著者:寺田寅彦
の部分に或る特定の化学的変化が起こる、その変化が長時間持続するとある化学的物質の濃度に持続的な異常を生じて、それが脳神経中枢のどこかに特殊の刺激となって働く、そ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
半後、亀之介がクラブを脱出して帰邸し、庭から窓をあけたときには、毒瓦斯はもう致死濃度ではなかったのである。 序《ついで》に記しておくが、鶴彌と亀之介は兄弟であ....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
りも、この方が場所もとらないうえに、発見される心配がないのです。銅板の厚さと酸の濃度からして、発火時刻は、今夜の九時ということになっています」 「えっ、九時か、....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
間も睡るわけがない。わしの調合によれば、せいぜい前後十時間ぐらいは睡るように薬の濃度を決めたつもりじゃったが……」 「しかし結果は、このとおり四十二時間も効いた....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ピサの斜塔が、星を撫でて、真夜中の地上に接吻しようと骨を折っていた。 一時に濃度を増した闇黒が、汽車を押し潰そうと、窓の外に犇めいた。 彼女は、そのなかに....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
ると、二千二百立方尺の空気に対し○・一%以下となる。これが二時間半後に達する最大濃度であるから、ここでは未だ死が起き得ないと断言出来ると思う。尤も博士の絶命時間....
山の秋」より 著者:高村光太郎
は壮観で、まるで平安朝の仏画を見る思がする。不思議なことに油画ではまだ日本のこの濃度ある秋の色の分厚さを大胆に造型化していないようだ。梅原竜三郎ならやれそうだが....
魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
面には時局のおかげで、いろいろの工場が設立されて毒水を流す。白根山の悪水は年々、濃度が高くなる。 ああ、利根の鮎はついに、亡びるのであろうか。 昭和七年であ....