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濡れ髪
「濡れ髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濡れ髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
でいると、さきがたから降り細った雨はいつしか止んで、草木という草木は、雫のたれる
濡れ髪を地べたに突伏したまま、起き上る力もなく、へとへとになっている静かさの底で....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
燈の光地上にうつりて電車の往きかう音も騒がしからず。こうなれば宿帳つけに来し男の
濡れ髪かき分けたるも涼しく、隣室にチリンと鳴るコップの音も涼しく、向うの室の欄干....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は内から戸を蹴とばして、 「なんだッ!」 喚いて、躍り出した。 素裸なのだ、
濡れ髪は解けて、ざんばらになっている。 武蔵は歯を咬み鳴らし、胸いたへ走って来....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
のは」 「なおいい」 などと三名は、体を拭いて、先へ上がって行った。 洗った
濡れ髪を手拭いで縛って、部屋に帰ってみると、男みたいな女の子の小茶ちゃんが隅で泣....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を刷いていた。 「たれだ?」 宮はお湯殿の内だった。 湯上がりのつやつやしい
濡れ髪を、愛妃のお手で櫛梳らせ、その総髪の毛さきを、剪り揃えさせておられたのであ....