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濤声
「濤声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濤声の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
大降りになって、風さえ強く吹きいで、戸障子の鳴る響すさまじく、怒りたける相模灘の
濤声、万馬の跳るがごとく、海村戸を鎖して燈火一つ漏る家もあらず。 片岡家の別墅....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
スペンサーでも読耽《よみふけ》っているのであろう。 半夜、眠れぬままに、遥かの
濤声《とうせい》に耳をすましていると、真蒼な潮流と爽《さわ》やかな貿易風との間で....
「二少女」より 著者:国木田独歩
坂の方へ帰ってゆく、お秀はじっと其後影を見送て立て居た。(完) (発表年月不詳「
濤声」より)....
「期待と切望」より 著者:宮本百合子
しつつ、一方にそれとたたかい、批判してゆく力を内部的に包含しています。音楽が風や
濤声や木々の葉ずれのような自然現象ではなくて、社会生活を営む人間の声であることが....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
切り給え。此身を法華経にかうるは石にこがねをかえ、糞に米をかうるなり」 かくて
濤声高き竜ノ口の海辺に着いて、まさに頸刎ねられんとした際、異様の光りものがして、....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
く林をぬけだしたのはもう日は没して、闇がたれこめる七時ごろであった。海が近いので
濤声が気にかかって、容易に寝つかれない。 十月十三日、朝起きるとさっそくまず浜....