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「濫読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濫読の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
中でもいちばん大部だったのは、樗牛全集の五冊だった。 自分はそのころから非常な濫読家だったから、一週間の休暇の間に、それらの本を手に任せて読み飛ばした。もちろ....
途上の犯人」より 著者:浜尾四郎
ったが、その趣味は今でも抜けない。それに自宅に居る時は決して勉強家ではないが濫書濫読の癖があるのでたまに汽車旅行などする時は、何も持たず、ぼんやりと車外の景色に....
行方不明の処女作」より 著者:宮本百合子
ものとして感じられるようになって来た。そして、恐らくは誰でも一度経験するであろう濫読、濫写、模倣の時代がはじまった。 母が読書好きであった関係から、家の古びた....
年賀状」より 著者:寺田寅彦
だしく臆病な彼は、自分で断然年賀端書を廃して悠然|炬燵にあたりながら彼の好む愚書濫読に耽るだけの勇気もないので、表面だけは大人しく人並に毎年この年中行事を遂行し....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
って回想されると思います。「マリー・アントワネット」だとか「フーシェ」だとか一見濫読めいていて、それでもずっと一本何かひっぱって、「ケプラー」をよんで、そして「....
オランウータン」より 著者:豊島与志雄
どこにも就職口がなかった、もしくは就職しないでいた。無方針に、文芸や哲学の書物を濫読していた。頭は冴えてくるし、身体はやせてくるし、生活はだらしなくなっていった....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
想してるのだった。それらの小説はしみじみとした情愛で彼女を包み込んでいた。早急に濫読する現今の人々は、いい書物をゆっくり味わうときにそれから輝き出す霊妙な力を、....
落雷のあと」より 著者:豊島与志雄
主義の書物もまだそのまま残っており、童話の書物も交っていました。社員たちは勝手に濫読し、或は無意味にただ眼を活字に曝しました。それらの書物のなかに、立川一郎は読....
学生と読書」より 著者:倉田百三
ある。 自分の職能の専門のための読書以外においては、「物識り」にならんがために濫読することは無用のことである。識見は博きにこしたことはないが、そのためにしみじ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
地に置き放しにして立見をやって帰ったものです。 芝居好きの喜どんはまた小説類を濫読しました。むろん公然と許されているのではなく、隠れて読むのですが、芝居や小説....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
無代価 演劇改良と改作 演劇天覧――「勧進帳」の訂正――狂言作者志願――浄瑠璃本濫読――黙阿弥の正本 鶴蔵と伝五郎 猿若町の市村座――新蔵のお三輪――弥次喜多の....
如何に読書すべきか」より 著者:三木清
ころでかように自分自身の読書法を見出すためには先ず多く読まなければならぬ。多読は濫読《らんどく》と同じでないが、濫読は明かに多読の一つであり、そして多読は濫読か....