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瀬戸
「瀬戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瀬戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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斜めに見た造花屋《ぞうかや》の飾り窓。造花は皆竹籠だの、
瀬戸物の鉢だのの中に開いている。中でも一番大きいのは左にある鬼百合《おにゆり》の....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
々短い旅行をした。が、荒あらしい木曾《きそ》の自然は常に彼を不安にした。又優しい
瀬戸内の自然も常に彼を退屈にした。彼はそれ等の自然よりも遥《はる》かに見すぼらし....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
浅野家《あさのけ》の家中にある事を知っていたから、まず文字《もじ》が関《せき》の
瀬戸《せと》を渡って、中国街道《ちゅうごくかいどう》をはるばると広島の城下まで上....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
で見ると、印度《インド》人マティラム・ミスラと日本字で書いた、これだけは新しい、
瀬戸物の標札《ひょうさつ》がかかっています。
マティラム・ミスラ君と云えば、も....
「路上」より 著者:芥川竜之介
はそれぎり大井を閑却《かんきゃく》して、嵐山《あらしやま》の桜はまだ早かろうの、
瀬戸内《せとうち》の汽船は面白かろうのと、春めいた旅の話へ乗り換えてしまった。す....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
タアが持って来たウイスキイで、ちょいと喉《のど》を沾《うるお》すと、ポケットから
瀬戸物のパイプを出して、それへ煙草をつめながら、
「もっとも気をつけても、あぶな....
「或る女」より 著者:有島武郎
すと、ぎくしゃくした調子で口をきった。
「葉子さん、あなたもいよいよ身のかたまる
瀬戸ぎわまでこぎ付けたんだが……」
葉子はすきを見せたら切り返すからといわんば....
「或る女」より 著者:有島武郎
いるのだ。またうまうまといたずら者の運命にしてやられたのだ。それにしてももうこの
瀬戸ぎわから引く事はできない。死ぬまで……そうだ死んでもこの苦しみに浸りきらずに....
「星座」より 著者:有島武郎
には煙草の吸殻や、菓子の包んであったらしい折木《へぎ》や、まるめた紙屑や、欠けた
瀬戸物類が一面に散らばっていた。柿江はその一つずつに物語を読んだ。すべてがすでに....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ちらりとでも、人目に触れて、貴女は、と一言聞くが最後よ、活きてはいられない大事の
瀬戸。辛く乗切って行く先は……実の親の死目である。道子が心はどんなであろう。 ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
くべき大犠牲を強制しつつ、スターリンは全力を尽しておりますけれども、どうもこれは
瀬戸物のようではないか。堅いけれども落とすと割れそうだ。スターリンに、もしものこ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
いうと、はなをひくか、あの、泥石の紙の盤で、碁を打っていたんですがね。 欠けた
瀬戸火鉢は一つある。けれども、煮ようたって醤油なんか思いもよらない。焼くのに、炭....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ました。 薄お納戸の好い色で。」 二十七 「青葉の影の射す処、白
瀬戸の小鉢も結構な青磁の菓子器に装ったようで、志の美しさ。 箸を取ると、その重....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
と力にしつつ、手を遣ると、……柄杓に障らぬ。 気にもせず、なお上の空で、冷たく
瀬戸ものの縁を撫でて、手をのばして、向うまで辷らしたが、指にかかる木の葉もなかっ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
える処を過ぎると、今度は可恐しく広い海。……能登島の鼻と、長浦の間、今の三ヶ口の
瀬戸でしょう。その大海へ出る頃から、(波やや高く、風加わり、忽ち霧しぶき立つと見....