火の用心[語句情報] »
火の用心
「火の用心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
火の用心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
おそろしい夢におそわれながら怯《おび》えた心持ちで一夜を明かした。毎晩聞きなれた
火の用心の鉄棒《かなぼう》の音も、今夜は枕にひびいてすさまじく聞えた。幸いに暁け....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぞも多ござんしたよ。大勢の客が入り込んで、ほとんど夜あかしの商売ですから、自然に
火の用心もおろそかになって、火事を起し易いことにもなるんですが、時には放火もあり....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
いけれど、お飯粒の少々は毎日欠かさず撒いて置く。たとえば旅行をする時でも、……「
火の用心」と、「雀君を頼むよ」……だけは、留守へ言って置くくらいだが、さて、何年....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
りの中へ立って見てござった差配様が、お前さん、苦笑いの顔をひょっこり。これこれ、
火の用心だけは頼むよ、と云うと、手廻しの可い事は、車屋のかみさんが、あとへもう一....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
埃を捲く影がさして、雑所は眉を顰めた。 「この風が、……何か、風……が烈しいから
火の用心か。」 と唐突に妙な事を言出した。が、成程、聞く方もその風なれば、さま....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
その下へはいって駈けて来ると、学堂の墻に近づいた頃に、夜廻りの者が松明を持って、
火の用心を呼びながら来たので、これに見付けられては大変だと思って、かれらは俄かに....
「空襲警報」より 著者:海野十三
年が二人ほど自転車にのって通りかかった。彼等は声を合わせてどなってゆく……。 「
火の用心!
火の用心! 皆さん火に気をつけて下さい。一軒から必ず一人ずつ出て警戒....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
りの突当りには、火の見の階子が、遠山の霧を破って、半鐘の形|活けるがごとし。……
火の用心さっさりやしょう、金棒の音に夜更けの景色。霜枯時の事ながら、月は格子にあ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
てのう。」 三 「皆さん、申すまでもありませんが、お家で大切なのは
火の用心でありまして、その
火の用心と申す中にも、一番危険なのが洋燈であります。な....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
の前の広場へひしと詰って、露台に溢れたからである。この時は、軒提灯のあと始末と、
火の用心だけに家々に残ったもののほか、町を挙げてここへ詰掛けたと言って可い。 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ら出ている煙突が見えましょう。あの煙突から時どき猛烈に煙りを噴き出すので、どうも
火の用心が悪いといって、家の兄貴がよくあの執事と喧嘩をすることがあるんです。それ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
りまさ。 黙っていました。 その晩、また昨夜のように、燧火だけは枕頭へ置いて
火の用心に灯は消して寝たんですが。 同一刻になりますと、雨戸がカタリ、ほんの、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
なめたか、五銭が餅菓子一つもなし。 から、だらしがねえにも何にも。 そこで、
火の用心に、洋燈はフッと消したんですが、七輪の鍋下の始末をしなかったのが大ぬかり....
「迷信解」より 著者:井上円了
をよくし、盗賊、火災の防ぎ方を設け、低地の所は出水の手当ていたし、小破れを繕い、
火の用心を大切にして住む家を、すなわち吉相の家とす」とあるは、おもしろき説明であ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
る。
早く救って遣らんではなるまい。
いや。もう救うことは出来まい。
ああ。不断
火の用心を善くしていた、
人の好い老夫婦が、
烟の獲にせられてしまう。
なんと云....