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火定
「火定〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
火定の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
懸ける、万歳、と云う、叱、と圧えた者がある。 向うの真砂町の原は、真中あたり、
火定の済んだ跡のように、寂しく中空へ立つ火気を包んで、黒く輪になって人集り。寂寞....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
は帰って来られない。が、荒川より近くには神宮川のような大きな川はない。 道節が
火定に入った円塚山というは名称の類似から本郷の丸山だろうともいうし、大学の構内の....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
出されたと伝えているが、御母君の末路は不明である。或いはその産屋の中で、後世所謂
火定の終を遂げられたのであったかもしれない。垂仁天皇の皇后狭穂姫は、兄狭穂彦とと....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
こうした流行が補陀洛渡海をさかんならしめたことは言うまでもあるまい。なおこの頃に
火定《かじょう》(自ら火を放って焼死すること)または禅定《ぜんじょう》(生きなが....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
けに、武士の列には並ばず、本堂の御厨子の前に、蔀の格子戸や薪を積んで、仏者らしい
火定のかたちをとって死んだ。 ――あくる日もまだ余燼は冷めきっていなかった。が....