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「火影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火影の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
た。が、暗い廊下《ろうか》をつき当ると、驚いた事にはこの夜更《よふ》けにも、まだ火影《ほかげ》のさしているばかりか、話し声のする小座敷があります。それがあたりの....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
さいましたが、ふと何か御思い出しなすったように、じっと大殿油《おおとのあぶら》の火影《ほかげ》を御覧になると、 「昔、あの菅原雅平《すがわらまさひら》と親《した....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ガンティノの前へ、蜃気楼《しんきろう》のように漂って来た。彼は赤い篝《かがり》の火影《ほかげ》に、古代の服装をした日本人たちが、互いに酒を酌み交《かわ》しながら....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
に窓を閉じた。僕たちの帰った時には、あたりがもう薄暗かった。二階の窓からは、淡い火影がさして、白楊《はくよう》の枝から枝にかけてあった洗たく物も、もうすっかり取....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
階の手すりには、十二三の少年が倚《よ》りかかっている。舞台には桜の釣り枝がある。火影《ほかげ》の多い町の書割《かきわり》がある。その中に二銭《にせん》の団洲《だ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
らっしゃる事、――そう云う御話をしている内に、わたしの眼にはいつのまにか、燈台の火影《ほかげ》が曇って来ました。軒先の簾《すだれ》、廚子《ずし》の上の御仏《みほ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
。皆のもの――宇左衛門は、気づかわしそうに膝《ひざ》を進めて、行燈《あんどう》の火影《ほかげ》に恐る恐る、修理の眼の中を窺《うかが》った。 三 刃傷....
「星座」より 著者:有島武郎
眺めだった。裏庭のすぐ先を流れている千歳川の上流をすかしてみると、五町ほどの所に火影が木叢《こむら》の間を見え隠れしていた。瀬切りをして水車がかけてあって、川を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のを、早瀬は瞳を据えて屹と視た。 四十九 早瀬はその水薬の残余を火影に透かして、透明な液体の中に、芥子粒ほどの泡の、風のごとくめぐる状に、莞爾し....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
泣きの声ばかり、誰が持った手巾も、夜会草の花を昼間見るように、ぐっしょり萎んで、火影の映るのが血を絞るような処だっけ――（芝居を見て泣く奴があるものかい、や、怪....
「露肆」より 著者:泉鏡花
、蒼白い陰気な灯の前を、ちらりちらりと冷たい魂が※の中から、朦朧と顕れて、揺れる火影に入乱れる処を、ブンブンと唸って来て、大路の電車が風を立てつつ、颯と引攫って....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
の十二時に近い時分、遠藤は独り婆さんの家の前にたたずみながら、二階の硝子窓に映る火影を口惜しそうに見つめていました。 「折角御嬢さんの在りかをつきとめながら、と....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
天をかすめて無きが如く、来往の船は自ら点す燈におのが形を示し、棹に砕けてちらめく火影櫓行く跡に白く引く波、見る者として皆な暑さを忘るる物なるに、まして川風の肌に....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
戴する、婦は優しいな。」 扇子を開いて蓋をした。紺青にきらきらと金が散る、苔に火影の舞扇、……極彩色の幻は、あの、花瓶よりも美しい。 内証の焚火は、骨瓶の下....
「活人形」より 著者:泉鏡花
じものを。とこの度は洋燈を片手に追懸けて、気も上の空何やらむ足に躓き怪し飛びて、火影に見ればこはいかに、お藤を連れて身を隠せしと、思い詰めたる老婆お録、手足を八....