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「火災保険〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火災保険の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
と笑い、小声にこう僕に話しかけました。 「隣はわたしの家作《かさく》ですからね。火災保険の金だけはとれるのですよ。」 僕はこの時のゲエルの微笑を――軽蔑《けい....
琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
いや今は事実の調査をしているのです」検事は厳として云った。今度は福島に向って、「火災保険につけてありますか」 「はい、家屋が一万五千円、動産が七千円、合計二万二....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
を出たのだったが、それから二、三日経つうちに思いがけない大変が起った。それは東洋火災保険会社が家を仮差押えしてしまったのだった。 支倉が起訴されて予審が有罪と....
足迹」より 著者:徳田秋声
その話が決まるまでには、お庄も媒介人から事をわけていろいろに言って聴かされた。火災保険の重立ちの役員であった媒介人の中村の言うことには、お袋などの所思とはまた....
幸福について」より 著者:宮本百合子
たのお家でも、相当にあった貯金なども使い果してしまっている。 例えばいろいろな火災保険であるとか、戦時保険であるとか、また、退職手当というものも、大分使い果し....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
も吉原を明るくしたかわりに養家はつぶしてしまった人。異之助さんは本邦最初の、外国火災保険詐欺をやった男。 秀造さんは眼から鼻へぬけるような才人だったという――....
歯車」より 著者:芥川竜之介
蒙っていた。それもまた実際仕かたはなかった。彼は家の焼ける前に家の価格に二倍する火災保険に加入していた。しかも偽証罪を犯した為に執行猶予中の体になっていた。けれ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ら牧師を招く余地を残しておいた。それは益にならないとしても、害になるはずはない。火災保険を契約するためには、焼けることを信ずる必要は別にない。 病身なオリヴィ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ゃねえか、そうだ、そうだ、という絵。 「漁夫の夢」 真ッ赤な女の大きな絵。××火災保険賞が授与されているのは、赤い色に対する当然な報酬であるということが心ゆく....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
たが、あとで分ったことでしたが、これは札束でした。二百万円です。この日三百万円の火災保険がはいったものですからその一部分です」 「どうしてそれが分った?」 「今....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
時は町人の火事を恐れたことは、今日の人の想像も及ばぬ位である。それは現今の如く、火災保険などいうような方法があるではなく、また消火機関が完全してもいないから、一....
猿ヶ京」より 著者:佐藤垢石
このほど、元代議士生方大吉君の案内で東京火災保険の久米平三郎君と共に、上州と越後の国境にある三国峠の法師温泉の風景を探っ....
越後獅子」より 著者:羽志主水
後、無理算段で建てた長屋は焼かれる、類焼者には、敷金を一時に返さにゃならず。夫に火災保険が、先々月で切れて居たのです」 と足袋屋の主人、ベソをかいて零した。 ....
寄席行灯」より 著者:正岡容
いものにすら考えていこうとひたむきになった人間たちのいみじき企てだったのだろう。火災保険のまったくなかった江戸時代に、あまりにも頻々たる火災をば「火事は江戸の華....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
やはりだまったままわたくしの紙入を調べ出した。紙入には入れ忘れたまま折目の破れた火災保険の仮証書と、何かの時に入用であった戸籍抄本に印鑑証明書と実印とが這入って....