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「火葬場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火葬場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
馬車は一|輛《りょう》の馬車を従えたまま、日の光も落ちない師走《しわす》の町を或火葬場へ走って行った。薄汚い後の馬車に乗っているのは重吉や彼の従弟《いとこ》だっ....
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
刺を束にする。弔電や宿所書きを一つにする。それから、葬儀式場の外の往来で、柩車の火葬場へ行くのを見送った。 その後は、ただ、頭がぼんやりして、眠いということよ....
去年」より 著者:伊藤左千夫
警官らはこれからが仕事だといって騒いでいる。牛はことごとく完全に消毒的手配をして火葬場へ運ぶのである。牛舎はむろん大々的消毒をせねばならぬ。 いままで雑然騒然....
深夜の市長」より 著者:海野十三
中のところで焼けると、人骨なんか粉々になって、形を止めないだろう。それはこの頃の火葬場のように、重油を使って焼いた屍体を見るがいい。実によく焼けているからねえ。....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
「笛吹川さんは、ほんとうに死んだの」 「本当でございます。お疑いならば日暮里の火葬場へお尋ね下さい。それから画伯の骨を埋めた今戸の瑞光寺へお聞き合わせ下さい。....
三人の双生児」より 著者:海野十三
いたのは、それから十日ほど経ったのちのことだった。 真一の屍体は納棺して密かに火葬場へ送って焼いた。その遺骨はお寺へ預けてしまった。ささやかなる初七日の法要も....
蠅男」より 著者:海野十三
ナ。こないな妙な臭は、今朝が初めてだす」 「そうかい。――で、この辺から一番近い火葬場は何処で、何町ぐらいあるネ」 「さあ、焼場で一番ちかいところ云うたら――天....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
一 赤沢医師の経営する私立脳病院は、M市の郊外に近い小高い赭土山の上にこんもりした雑木林を背景に、火葬場へ行く道路を見下すようにして立っているのだが、それはもうかなり旧式の平屋建....
遺書」より 著者:尾崎秀実
など見ないでほしいということ、楊子はその場合連れて来ないこと。 一、屍体は直ちに火葬場に運ぶこと、なるべく小さな骨壺に入れ家に持参し神棚へでもおいておくこと。 ....
火葬国風景」より 著者:海野十三
東京の屋根の下に、同じ空気を吸って生きていたのである。彼の勤め先というのは、花山火葬場の罐係であった。 当分は、彼は勤めに出ても、鼠谷のことが気になって仕事が....
決闘場」より 著者:岡本かの子
裂いて総歯で噛み砕いて、滓にして吐き出して、それを靴の踵で踏みにじって、それから火葬場の炉の中ですっかり焼き尽してしまいたかった。それでもまだ灰や煙がすらすら抜....
夜の構図」より 著者:織田作之助
台は、ペンキの匂いがまるで自作の亡骸の匂いのようであった。見物のいない客席は夜の火葬場のようにひっそりとしていた。そして、舞台の上の信吉は火葬人夫のように冷酷な....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ある。(註。二人して火を吹くは焼場なりという俗信あり。) 「ちっとも構やしない、火葬場ですもの。……寝酒ぐらいはいつでも飲ませる。」 「面白い。いや、真剣だ。―....
迷信解」より 著者:井上円了
すべきものが混じておる。余がかつて聞きたる一話を申さば、ある人、一夜深更に及んで火葬場の近傍を通行せしに、この場所に立ちたる地蔵堂の前に、怪しき火の燃え上がりお....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
みを用い、火葬は絶えて用いざりしが、近年に至り火葬ようやく行われ、英国にもすでに火葬場の設置あり、フランスにては火葬の数次第に増加するという。 欧州諸国中、埋....