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「火難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火難の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
》をしゃくって、「大凶結構。男が一度惚れたからにゃ、身を果すくらいは朝飯前です。火難、剣難、水難があってこそ、惚れ栄えもあると御思いなさい。」と、嵩《かさ》にか....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
労働を慰め、信仰の念を高むると同時に、一挙して和楽慰安の所を与えつつ、また地震、火難等の折に臨んで避難の地を準備したるなり。今聞くがごとくんば、名を整理に借りて....
十二支考」より 著者:南方熊楠
蛇の画を、護符として諸多の災害を避くるは、イタリアに限らず、例せば一切経中に見る火難|除《よ》けの符画も、熟《よく》視《み》るとやはり蛇の画だ。日本でも吾輩幼時....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
イッチと云って、身体の出来が人竝外れて大きい、容貌は謂わばカザン寺院の縁日で売る火難盗賊除けのペテロの画像見た様で、太い眉の下に上睫の一直線になった大きな眼が二....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
る。 それからずっと歳月が経って、私の欧羅巴から帰って来た大正十四年になるが、火難の後の苦痛のいまだ疼ずいているころであったかとおもうが、友人の一人から手紙を....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
屹度消える訳のもので、火事盗難という物が有るから、どんな大い身上でも続いて十度も火難に出逢い、建る度に蔵までも焼いたら堪るものじゃなかろう、だから何うしても無理....
式部小路」より 著者:泉鏡花
火元は柳屋ではなく、かえってその不祥の兆に神経を悩まして、もの狂わしく、井戸端で火難消滅の水垢離を取って、裸体のまま表通まで駆け出すこともあった、天理教信心の婆....
妖怪学」より 著者:井上円了
、自ら安んずるに過ぎざるべし。その他、さきに示したる立春大吉を四方の柱にはれば、火難、盗難、その他一切の厄難を免るべしといえるは、これけだし、四方より入りくる悪....
迷信解」より 著者:井上円了
るものは、妄談を極めたるものにして、文字の墨色をみて、何年何月何日に剣難がある、火難がある、病気が起こる等の予言を与うることに定まっておる。かかる予言の決して当....
遍路」より 著者:斎藤茂吉
によった。しかも偶然二人の遍路に会って随分と慰安を得た。なぜかというに僕は昨冬、火難に遭って以来、全く前途の光明を失っていたからである。すなわち当時の僕の感傷主....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
った」 「あら法月さんの? ……」 お綱の顔に美しい赤味がさした。 年の暮の火難から、怖ろしいあの夜の出来ごと――倖いに、万吉に助けられて、この妻恋の家へ帰....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
辺の村にも二つも三つもあります。 秋葉の山の神は俗に三尺坊さまと称えて、今でも火難を防ぐ神として拝んでいるのは、おおかたこの貴い泉を、支配する神であったからで....