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灯り
「灯り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
灯りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
いた。暗黒の室内は、ほんの数秒であったが、一転して墓場のような静寂が訪れた。 「
灯りを、
灯りを……」 青竜王の呶鳴る声がした。 それッというので、室内の電灯....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
へ出たらしい」 「敵の奴、ここから逃げたらしいですね」 「うむ。――あれを見ろ、
灯りが、さしているぞ」 「これは、建物の内部です」 「よオし、部下を集結するんだ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
確かめた上、このとき始めて僕はポケットの中から小型の懐中電灯をとりだして、パッと
灯りをつけた。小ぢんまりしたこの部屋には、壁を背にした書棚がいくつも並んで居り、....
「人間灰」より 著者:海野十三
にはいつものように、トラックを運転して帰っていった。赤沢博士の自室には、まだ永く
灯りがついていた。しかし十時半になると、その
灯りも消えて、本館の方は全く暗闇の中....
「蠅男」より 著者:海野十三
びこんでくるようにも感じられた。 帆村は素早く室内のスイッチをひねって、室内の
灯りを消した。それからポケットからピストルを出して手に握ると、人口の扉の錠を外し....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
を滑って行く。窓硝子から間近い両側の商店街の強い燭光を射込まれるので、車室の中の
灯りは急にねぼけて見える。その白濁した光線の中をよろめきながら、Mの学生の三四人....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
手足をすぼめ、曳船の掻き立てるすさまじい泡を眺めていた。 出島には、もう一点の
灯りも見えない。 多くの船体が、雨脚のなかに重なり合って暈されている。 する....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
それなり、暫くはなんの声もなかったのである。夜の沙漠の冷々としたなかで、にぶい
灯りが二人を照らしている。ちょっと、折竹のからだが顫えたようにみえた。墓――※ ....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
くりらしい話し声――。(京四条河原夕涼みの体。これも夜分の景と変り、ちらりと火が
灯ります。首尾よう参りますれば、お名残惜しうはござりまするが、そういう様へのお暇....
「雨」より 著者:織田作之助
んぴらだと自転車を走らせて急を知らせてくれ、お君がかけつけると、黄昏の雪空にもう
灯りをつけた電車が二十台も立ち往生し、車体の下に金助の体が丸く転っていた。ギャッ....
「郷愁」より 著者:織田作之助
したほか、すっかり灯を消してしまっている。いつもは点っている筈の向い側のホームの
灯りも、なぜか消えていた。 駅には新吉のほかに誰もいなかった。 たった一つ点....
「世相」より 著者:織田作之助
西鶴の一代女の模倣に過ぎないと思いながら、阪口楼の前まで来た。阪口楼の玄関はまだ
灯りがついていた。出て来た芸者が男衆らしい男と立ち話していたが、やがて二人肩を寄....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
とした眼で、茉莉を見下ろしていた。 繋ぎ提灯の、ピンク、ブルウ、レモンエローの
灯りが、ホールの中を染めていた。 が、茉莉の顔はその色に染まりながら、いや、そ....
「蛍」より 著者:織田作之助
をひとごとのように眺めていると、ふとあえかな螢火が部屋をよぎった。祝言の煌々たる
灯りに恥じらうごとくその青い火はすぐ消えてしまったが、登勢は気づいて、あ、螢がと....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
裸の娘 その日、朝から降り出した雨は町に
灯りがつく頃ふとやみそうだったが、夜になると急にまた土砂降りになった。 その雨....