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炊ぐ
「炊ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炊ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
木の下に置いた弁当を開きにかかりました。
その弁当というのが、一かたけに約五合
炊ぐらいははいる古風な面桶《めんつう》で、その中には梅干が二つと、沢庵が五切れば....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
って眠る。しかのみならず大母病気にあり、諸妹幼弱|不解事、自ら縁を破り柱を割いて
炊ぐ、云々」ところで父の左衛門太郎は馬術剣術の達人で気宇人を呑む豪傑ではあったが....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
急ぎにスケッチブックを袂に蔵った。 亭主は小さな「ボコ」を抱いて、囲炉裡で飯を
炊ぐ。おかみさんは汁を造るべく里芋を洗う。そして皮つきのまま鍋の中に投げ込む。塩....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と、そこの入口の立樹や、廂の下には、必ず十頭くらいの荷駄馬がつながれ、夥しい米を
炊ぐため、米の磨ぎ水が前の流れを白く濁していた。 「旦那はん、どこへ行きなされた....
「三国志」より 著者:吉川英治
うと、老母はいそいそと母屋のほうへ立ち去った。 間もなく、厨のほうから、夕餉を
炊ぐ煙が這ってきた。失意の子のために、母はなにか温かい物でも夕餉にと煮炊きしてい....
「三国志」より 著者:吉川英治
部将たちが、杯をおいて、あわてかけるのを、曹仁は押し止めて、 「兵卒どもが、飯を
炊ぐ間に、あやまって火を出したのだろう。帷幕であわてなどすると、すぐ全軍に影響す....
「三国志」より 著者:吉川英治
も、もう布陣を終ったか」 「整然と終っています。夕刻を過ぎてから、ふたたび兵糧を
炊ぐ煙があがっていましたから、察するに、深更、陣を払い、左の山路をとって夜明けに....
「三国志」より 著者:吉川英治
ど算なきまでの損害をくり返した。日を経るに従って、山上の軍馬は渇に苦しみ出した。
炊ぐに水もない有様で兵糧すら生か火食のほかなく、意地わるく待てど待てど雨もふらな....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
かたけ、一人一度の食料であって、稗でも粟でも引割麦でも、かねて米と混淆して洗って
炊ぐばかりにしてあるのを、その日働いている人の数だけ量り出すのである。掛け算は新....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
意して置くものが今でもある。またはその中へ正月の三方折敷の米を、かならずくわえて
炊ぐという風習ものこっている。こういう事実を知りぬいている人々は、だれでもあらた....