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「炒り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

炒りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:岡本かの子
、まだ」とまけおしみを云って潰して行った。子供の小さい膳の上には、いつものように炒り玉子と浅草|海苔が、載っていた。母親は父親が覗くとその膳を袖で隠すようにして....
たずねびと」より 著者:太宰治
が、さしあたって、きょうこれからの食べるものに窮してしまいました。 父と母は、炒り豆をかじり水を飲んでも、一日や二日は我慢できるでしょうが、五つの娘と二つの息....
連環記」より 著者:幸田露伴
せると、刀に従って血はつぶつぶと出で、堪えがたい断末間の声を出して死んで終った。炒り焼きして心見よ、と云うと、情無い下司男は、其言葉通りにして見て、これはことの....
」より 著者:井上紅梅
の前へ立ち往来に面した壁際のいつもの席に腰をおろした。彼は答うる人がないので 「炒り米のお粥かね」 と訊き返してみたが、それでも返辞がない。 老栓はいそいそ....
」より 著者:佐藤垢石
材料とし、まず鍋に油を沸らせ、鯰の肉を入れて時々箸で裏返し、約三十分間ほど強火で炒り、それから酒やその他の材料を入れて蓋をし、一時間ばかり文火で煮てから碗に入れ....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
がかりで蜂窩から子供を引っ張り出して見ると、それが二升ばかりもあったのである。油炒りに、蜂の子飯。味は河豚の白子の味のようでもあるし、からすみにも似ている。動物....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
その中の種子を食用にするに都合がよい。また油も搾られる。鍋に油を布いてこの痩果を炒り、その表面へ薄塩汁を引いて食すれば簡単に美味に食べられる。 シュロと椶櫚 ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
しい種類があります。それを先《ま》ず厚皮を剥《む》いて中の実ばかりこの通り炮烙で炒ります」客「なるほど、この匂いが今私の鼻を衝《つい》たのですね。市中で売ってい....
夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
いは味噌汁をかけて食べるのもよい。これに納豆を加えると、さらにうまい。焼きのり、炒りごま、七味、薬味ねぎなどを、好みに応じて加えれば申し分なしといえる。 猪肉雑....
食道楽」より 著者:村井弦斎
。ブラウンソースはバター一杯をフライ鍋へ入れメリケン粉一杯を入れて黒色になるまで炒りセリー酒大匙一杯、スープ一合を入れ塩胡椒にて味を付けたるものなり。附合物には....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
って今も普通であるが、豆にはご汁や豆腐のために今一つの水浸けの法も行われている。炒り搗きを主とするのは麦類が多かった。是は他の方法の殊に施し難いのと、今一つには....
こども風土記」より 著者:柳田国男
童詞が七章まで載っている。 鬼の来るまで 洗濯でもしやしょ 鬼の来るまで 豆でも炒りやしょ がら/\がら/\ 石臼がら/\ 豆はたきとん/\ 鬼を激昂させる手....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
いって、少し引き離して別々にしてありました。咳の願掛けに行く人は、必ず豆や霰餅の炒り物を持参して、煎じ茶と共にこれを両方の石の像に供えました。そうして最もよくき....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
ら、あるいは別に何か意味があったかも知らぬ。 鳥取付近の農村では、五月一日を豆炒り朔日と呼び、豆を炒って神に供えるそうだが、その趣旨もまだ明瞭でない。壱岐の旧....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
飯を炒って味をつけたのをウケジャまたは茶菓子ともいっており、紀州の熊野などでは、炒り米と薩摩薯とをまぜて炊いたものがオケジャである。飴や砂糖とはくらべものにもな....