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炭素
「炭素〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炭素の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
《ろうそく》の火も燃えていた。学士は手にしたコップをすこし傾《かし》げて見せた。
炭素がその玻璃板《ガラスいた》の間から流れると、蝋燭の火は水を注ぎ掛けられたよう....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ウム、マグネシウム、鉄並びに他の金属元素が多く、最後に最も温度の低い赤色の星では
炭素化合物なかんずくシアンが現われる。既に地球上で知られている組成物質以外のもの....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
いていた。 「先生、昨夜の連中は毒|瓦斯にやられたそうです。症状からみると一酸化
炭素の中毒らしいですが、どうも可哀想なことをしました」と松ヶ谷学士は下を俯いた。....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に外すと、髯男の方へ、片手を伸ばした。どうやら、髯男が、持ち合わせの漂白粉と活性
炭素を利用して、応急のマスクを作ってやったのが、もう利かなくなったらしい。 髯....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
点火した。そうなって初めて検事に判ったのは、その電球が、昨今はほとんど見られない
炭素球だと云う事で、恐らく急場に間に合わせた調度類が、永らく蔵われていたものであ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
置いてあった。蝋燭の火も燃えていた。学士は、手にしたコップをすこし傾げて見せた。
炭素はその玻璃板の蓋の間から流れた。蝋燭の火は水を注ぎかけられたように消えた。 ....
「蒸発皿」より 著者:寺田寅彦
ももちろんないのである。 宇宙線が脳を通過する間に脳を組成するいろいろな複雑な
炭素化合物の分子あるいは原子の若干のものに擾乱を与えてそれを電離しあるいは破壊す....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
場合ではコペンハアゲンという対象を。 第一に、ひくい雲の影だ。 それが一枚の
炭素紙みたいに古い建物の並列を押しつけて、真夏だというのに、北のうす陽は清水のよ....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
と思いついて、本箱の奥の方に突込んであった無機化学の教科書を引張り出して、一酸化
炭素の所を調べて見た。我々が燃料に使っているガスは石炭ガスと水成ガスの混合で、約....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
ある。灰には石灰や土灰をも用いるが普通は藁灰である。藁を燃やした屑にはまだ大分に
炭素が残って黒い色をしているが火鉢に入れておくとこの灰はだんだんに燃えて灰ばかり....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
病の経過を試験した結果によると、脂肪分を主に与えたものは四十日くらいで死し、含水
炭素殊に砂糖を多く与えたものは八十七日くらいで死んだ。これに反して含窒素食物を主....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
持っているだけのダイヤを全部|坩堝に入れて融合させようと思ったところが、もともと
炭素のかたまりであるダイヤは、忽ち一陣の炭酸|瓦斯と変じて、空中に掻き消えたとい....
「街の探偵」より 著者:海野十三
るのも同然だ』 と帆村は舌うちをした。 『ストーブから不完全燃焼でもって一酸化
炭素が出てきたのではないかね』 『ちがう。一酸化
炭素なら、被害者の顔は赤くなって....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
わちSは硫黄、Bは硼素、Fは弗素、Pは燐、Hは水素、Kは加里、Aはアルゴン、Cは
炭素、Nは窒素、Vはバナジウムだ。 兄さん! もうこれでしめたものだ。ちょっと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ず甜菜から砂糖をとる実験をやったが、これは中々楽な仕事ではなかった。次ぎに二硫化
炭素の実験であったが、これは頗る臭い物である。臭い位はまだ可いとしても、塩化窒素....